ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜シャットダウン〜Look the life 5話うp♪ ( No.9 )
- 日時: 2010/04/07 15:14
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
Episode1-6『対面』
本城と河原は校長室の窓まで来ていた。
「河原。頼む。」
「はいよ。」
河原は窓に触れると、ドライバーをとり出して窓の隙間に入れる。
河原は強盗が趣味であり、1年前の本城の起こした事件に加担していたのだ。
ガチャ
音を上げて窓が開いた。
2人は無人の校長室に入ると、周りを見渡す。
左の壁には歴代校長の肖像画、右の壁は本棚で埋め尽くされている。
「校長のくせにまだ来てないのか。」
本城はそう言いながら校長椅子に座った。
河原はソファーに座りあくびをする。
その時だった。
ガラララ
ドアが開き、校長の本城正信が現れた。
オールバックの髪をワックスで固め、スーツが似合う50後半男性である。
校長は二人を見ると驚いて呆然としていた。
「やあ父さん。叫んだりしたら生徒を殺すぞ。」
河原は校長を引っ張り、ドアを静かに閉めた。
校長の正信は2人を見て未だに呆然としている。
「・・・・何が目的だ?」
「あんたの命を奪うことだ。色々聞きたかったんだ。呪いの眼のことや、母さんのことについてな。」
本城は立ち上がり、正信を力づくでソファーに座らせた。
「河原君、まさか君まで・・・」
「すいませんね。僕も関わった以上協力しないといけないので。」
河原はドアに近づき耳を澄ました。
その姿を見た本城は正信に質問する。
「今日は誰かここに来るか?」
「あ、あぁ。他校の先生が2人訪問してくる。」
「何時だ?」
「どちらも午後だ・・・・」
「なら、たっぷり話せるな。」
本城は校長椅子に座ると、正信を睨みつけた。
河原は2人を見て空気が重くなるのを感じる。
「まずは、あんたも人の寿命が見えんのか?」
本城の質問に、正信はフフッと笑った。
「あぁ。どうやら、私譲りのようだな。」
「ふざけるな・・・・。この忌々しい目がうざいんだよ。この目のせいで思考力が鈍る。どうすれば治る?」
「治らん。体質なのだからな。」
正信は鞄から携帯を取り出し、本城に向けた。
その時だった。
「本城!!誰か来た!!」
河原がドアから離れ、3人の視線がドアに移った。
ドアの前で足音が止まり、ノックが聞こえる。
「失礼します・・・・え?」
はいってきたのは千種と秀一だった。
「おやおや、人質が増えたな。」
本城はそう言うと、河原に目で合図をする。
河原は2人を連れ込むと、強引にソファーに座らせた。
すると、千種が本城に突然飛びついた。
本城は驚き、千種の腹を蹴り飛ばす。
千種は腹を押さえ、本城を睨みつけた。
「よくも・・・よくも・・・父さんを・・・・」
「何を言ってる?・・・銀行強盗のことか?」
本城は勘づき、千種の上靴を見た。
「傘橋・・・・。あの銀行員か、正義感持った奴だったな。」
その一言で、千種の糸がプチンと切れた。
「ふざけんなぁぁぁ!!!!!!!」
千種が飛びかかろうとすると、本城は冷静に腰からある物を出した。
「あまり、騒がない方がいい。」
本城は腰から拳銃を取り出し、千種の頭に突きつける。
正信は息子のそんな姿を見て驚いた。
「や、やめなさい・・・」
「黙ってろ。坊主、父親の二の舞になりたくなかったら、黙って座ってろ。そこのガキもだ。」
河原は2人をソファーに座らせると、再びドアから廊下を見た。
すると、河原は後ろに下がり顔を顰めた。
「どうした?」
「また、誰か来る・・・・」
河原の言葉に本城はため息をついて、頭を抱えた。
「ここに来るか?」
「たぶん、男女の生徒2人だ。」
河原は本城と並ぶ。
すると、ドアが開き鏡矢と七海が姿を現した。
2人も千種たち同様、いきなりの光景に唖然としている。
河原はつい、2人を見て大きなため息をついた。
「おいおいおいおい!!!ピクニックじゃねぇんだぞ!!なんで次から次に生徒が来るんだよ!!」
河原は鏡矢と七海を入れるとすぐにドアを閉めた。
これで、本城たちも合わせて7人。
さすがの本城も人質の多さにため息をついた。
「・・・・とりあえず座れ。これは考えていたこと・・・」
本城がふと、千種に目を向けて口の動きが止まる。
河原や秀一たちは本城が止まったことに首を傾げた。
本城は千種に近づくとニヤリと笑う。
「お前も・・・呪いの眼を持つ一人か・・・・」
本城の言葉に千種は顔を上げた。
すると、本城の頭上には、ほかの人の頭上には浮いている数字が浮いていない。
「な、なんで?」
「持つ者同士は、見えないんだよ。あの校長もな。」
本城は正信に指をさす。
千種が校長を見ると、本城同様の光景だった。
そして、静かに千種の第2の人生の幕が_______
上がり始めていた_______