ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 旅人ノ街【ツドイマチ】  ( No.103 )
日時: 2010/06/24 19:10
名前: 譲羽 (ID: fgNCgvNG)

【39】
記憶が終わる。

ボクは2つ視たことによって、気づいたことがあった。

「この記憶は“詩句”さんのですよね?何故“詩句”さん自信が映ってるんですか?」
「本当に詩句様の記憶か確認できるよう、詩句様がこちらに送る前にそこだけ書きかえてもらっていただいておりますから。書きかえるついでにその時の強い気持ちをいれてあったりもしてます。」

伊咲夜さんがやや軽蔑の眼差しでボクをみる。

「詩句様と同じ名前を持っていても、こいつは頭が足りてない…あぁ、詩句様の名前が汚れてしまう」

伊咲夜さんがぶつぶつという。まぁ、全部聞こえたけど…。

記憶が書きかえらえるということは、嘘もいれられるということだ。

それが本当にあるかどうかは伊咲夜さんに聞くと殺されそうなので聞かないが、きっとボクの思い過ごしだろう。

自分のアルバムとか記憶を偽装してあとで鑑賞しても楽しくないだろうから。

「これが最後です。さっきの続きとなっております。」

伊咲夜さんがそういって持ってきた中の炎は青く燃えていた。他のと違い、今にも瓶ごと燃えてしまう勢いだ。

3回目…他のとは比べものにならない燃え上がりを見せる青い炎は瓶から出した途端、光輝いた。



町外れ、空兎のメンバーが集まっている。

「じゃあ。歌うよ?」

詩句がみんなに笑いかける。

「♪〜♪♪〜「〜♪〜♪♪♪♪〜「♪〜

最初に異変を感じたのは白縫さんだった。歌静さんがいつもつけている手枷の鎖を握っていたら、すり抜けた。

「?歌静先生!!あたしの手が…手が…今一瞬…」
「ん?白縫。静かに聞いててよね。」

歌静さんは気づかない。強大な魔力と、賢者の称号のせいで、こんなワタシの魔力には気づかないのだろう。

「♪〜♪♪〜「〜♪〜♪♪♪♪〜「♪〜

詩句は歌い続ける。

これで、これでこの人達はもう世界という世界に手出しできない…。

「♪〜♪♪〜「〜♪〜♪♪♪♪〜「♪〜

3分の2くらいを歌ったとき、気づいたのは七テクちゃんだった。

「カラダ…?…カルイ。イツモチガウ…」

みんなのめりこんでいた。魅せる歌になるように創ったのだから当たり前だ。

でも、七テクちゃんが気づいてしまうのは1番おそれていたことだった。

「♪〜♪♪〜「〜♪〜♪♪♪「))#((#####)))”###wwwww

七テクちゃんが泣き叫ぶ。

「))#((#####))”:*;:####wwwwww「#wwwwww#www#ww

詩句の歌が、魔法が壊れる…

だが、負けじと詩句は歌う…歌う。

「ドウシタノ…?7テク?」

リコリスさんが聞く。

みんなにもう魅せることはきかない。

でも、もう終わる。もう間に合わない…。さようなら

「詩句?終わりにしましょう。歌をとめてください」

詩句の隣には突然柊さんがいた。

無表情の顔をして、悲しい顔をして、隣にいた。

怖い…怖い、怖い。

涙が詩句からこぼれ落ちる。歌はとまった。

みんなも気づいたみたいだ。身体が透けていることに。

成功はしなかったからすぐなおってまうけど。

「みんなが悪いの…。笑っているのに、やってることは人殺しに世界壊し。」

詩句はうつむく。

「話が読めないのですが、詩句さんは何をしたんですか?」

白縫さんがたずねる。

「あなた達を消そうと思ったの。何モノにも鑑賞できず、鑑賞できない存在にしようと思ったの!!あなた達は年を重ねても死ねないから、それを逆手にとったの!」

詩句はおとなしく白状した。

反射的に、御影さんと乙霧さんが詩句に攻撃する…

白縫さんが、急いで盾をつくり、それを防いだ。

「2人とも熱くならないでくださいよ。詩句さんの近くには柊さんがいるのをお忘れですか?」

人を超越した世界の住人が白縫さんに牙を向く

「なんだ白縫?詩句の肩を持つのか?私は天使、神の使いだが、詩句の今やったことは死刑に値する。全ての世界の重要人物達を、消してしまったらどれだけ狂ってしまうか!」
「俺と斑も鶴覡に賛成だ。気高き俺らの崇拝する意志はお許しにならないだろうからな!」
「ナテクナ…ユルセナイ。マダラタチイッショ、意志ユルサナイ」

歌静さんがけらけらと笑う

「重要人物?それは光栄だな!でもさ、私(わたくし)は柊君についていくことにするよ!それに君達と敵対してるのは白縫じゃないよ?柊君だ。ね?そうでしょ?」

一斉に柊さんを見る。

「歌静は相変わらず頭がきれますね。そんなに詩句を殺したいなら、柊を倒してくださいよ?」

戦争をしましょうねぇ。

柊さんはいつもの笑みでそういった。