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【５２.５】
『遅いですねぇ、七テク嬢。早くしないと血もろとも詩句が消えてしまうでしょう？』

柊ハワザワザ隠レテキタ７テクニソウ言ッタ

『柊…警戒シテタ…血抜カレタ事…鏡閉ジコメラレタ事…マダ７テク怨ンデル…柊怖イ事…覚エテル』

７テクハ柊ヲ横目デ見ル。

昔ノ記憶ハ昨日ノ事ノヨウニアリアリト思イ出セル。

バンシーハ寿命ガ結構長イ。全テヲ記憶シテルト大変ナタメ最初カラ記憶力ガアマリナイ。ナイトイッテモイイ。

ダカラコソ、覚エテル記憶ハ重要ナモノシカナイ。ソコニ空兎ノ出来事ガ入ッテルノハ自分デモ関心シテシマウ。

今頭ノ中デ鳴リ響イテイル危険信号ニモ納得デキル。ソレクライ柊二恐怖ヲ感ジテイルトイウコトダ。

『血を抜いたのは歌静嬢ですし、その後吸血鬼になっても襲ってきたのは七テク嬢自信ですよぉ？』

柊ハ笑ウ。

『うぅ…悪イ思ッテル。…デモ怖カッタカラ…先手必勝。殺ラレル前二殺ル』
『七テク嬢は臆病なバンシーでしたのに、先手必勝ですかぁ。吸血鬼に一回なったら性格まで変わってしまったようですねぇ。それだけでも価値はあったと思いますよぉ？歌静嬢にお礼を言ってあげてくださいねぇ』
『この子。７テク…血混ザッテル。飲メバ完全復活……飲ム。イイカ？』

７テクハコレ以上柊ト無駄話シタクナカッタ。

気絶シナガラモ首カラ鮮血ヲ湧カセル少年ヲ指サシ聞イタ。

半分吸血鬼ニナッテイル７テク二トッテタマラナイ光景ダ。柊サエイナケレバ魂ゴト、少年ガ気絶スル前二食ベテシマッテイルダロウ。

『いいですよぉ？そのために詩句の首を斬ったんですらねぇ。ただし、死なない程度にしてくださいよぉ？』

柊ノ承諾ヲ聞キ、スグ近寄リ飲ミタイトイウ本能二襲ワレル。ダガ、昔ノ記憶ガソレヲ許サナイ

『…柊何スルツモリ？…詩句？少女ジャナイ。…名前、顔違ウ』
『えぇ、柊が命名してあげたんですからねぇ。記憶喪失なんですよその子。残念ながら柊は本当の名前を聞きそびれてしまいましたぁ。いいから飲んでいいですよぉ？そのかわり凡人の血で薄めないようにしてくださいねぇ？これ以上薄められるとバンシーの血が消えますから』

ドンナ意味カ問イツメカッタ。

デモコレ以上時間ヲ置クト詩句ハ血ゴト消エテイッテシマウ。

コレカラモ詩句が柊ト関ワリ続ケル事ヲ考エルトコノママ魂ヲ消シタ方ガイイダロウ。魂ガ消エレバ、躰モ自然消滅スル。

ダケドソレヲヤッテシマウト７テクノ血モロトモ消エテイッテシマウ。

７テクハ自分ノ抜カレタ血ガアリ、ソレヲ飲ムコトガデキルノニミスミス見逃スコトハデキナカッタ。

歯ヲ詩句ノ、少年ノ柔ラカイ首二押シ当テ、喉ヲ鳴ラシテ血ヲ飲ンダ。

元７テクノ血ハ、濃厚デ懐カシイヨウナ味ガシタ。

普通、飲マレテイル側ヲ生カス時、自分ノ凡人二近イ血ヲ移シナガラ飲ムノダガ、今回ハソレガデキナイ。ダカラ異形ノ血ヲ薄メナイタメ凡人ト異形ノ混ザッタ所ヲ飲ンダ。

結構少ナカッタケド。コンナンジャマダマダ吸血鬼ノママダケド。

コボレタ血モ全テ舌デ舐メトル。

少シデモ、少シデモ元ノ自分二戻レルヨウニ。