ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 旅人ノ街【ツドイマチ】 オリキャラ募集—先着3名様 ( No.59 )
- 日時: 2010/05/02 21:09
- 名前: 譲羽 (ID: M2SneLVI)
【19】
胎無さんの魂がリコリスさんに回収されてからそう離れてない数日後。
ボクは納得いかなくてまだ落ち込んでいた。
「詩句。そんな暗い顔してたら柊まで暗くなりますよぉ」
「…ボクそんなに暗い顔してませんよ?いつもと変わりありません。」
「髪も長くなってますよぉ?だから暗く見えるんですかねぇ」
喫茶店内にはボクと柊さんしかいない。リコリスさんは“人捜し”で異世界へ。御影さんは街に出かけていた。
「紅茶飲みますか?柊さん。」
「いえいえぇ。落ち込んだ詩句の紅茶はおいしくありませんよ…。柊がいれてあげますからそこに座っていてくださいねぇ」
「ボクここから1時間くらい動いてませんよ。急にそれをかえる気もありません…。」
「…ならいいですがねぇ」
いまいち話しも盛り上がらない。
「たっだいまぁ!!柊!愛してるからぁあぁあぁ!!」
「うわぁー!!」
裏口から蓬さんが出てきて柊さんを押し倒した。
「よっしゃ!大成功!!ずっと待ってたかいがあったわ!柊ったら今日に限ってなかなかカウンターに立たないんだもん!」
「…よ、蓬嬢。早いお帰りでぇ…。しゅ、収穫は?ていいますか、まず降りてもらいたいですねぇ」
「何言ってるのよ!私はそんなに重く…いや、愛の力で重さなんて感じないはずよ!!」
毎回蓬さんはテンションが高いなぁ…。
ボクにとって今は1番迷惑だった。
「蓬さん。そんなところで無理な求愛してないでください。せめてボクの目が届かないとこでお願いしますよ」
「あら!詩句まだいたの?いつもより毒舌すぎない?」
「違いますよぉ。いつもよりテンションが低いんですよ…いいから降りてください。つーか降りろ。邪魔だ。手前につき合ってる暇はない」
最後くらい絶対柊さんきれたな…。あんな呑気な人でもきれることあんだなぁ
「ひどいわ柊。私何時間も待ってたのに。至福の時もないなんて。」
「すいませんねぇ。柊は詩句に紅茶をいれるつもりだったので」
「えっ!そうだったの?なら私に任せてよ!!ねっ?ほらどいてどいて」
蓬さんは無理矢理柊さんを追い出す。
「柊さんもきれるんですね」
ボクはさっき思ったことを率直に聞いた
「そうですよぉ。柊だって喜怒哀楽ありますからねぇ。」
「…そうですか」
「ほい来た!おっまたせ!!どーぞ。隠し味入ってるからおいしいんはずよ♪」
少しすると蓬さんは紅茶を運んできた。
「何いれたんですか?」
「飲めば分かるよ?今回のお土産なんだ。すっごく元気でるよ!」
ボクと柊さんはトカゲとか入ってないか確かめながら恐る恐る飲んだ。
「?蓬さんにしてはおいしいですね…。」
「おいしいねぇ。今回の収穫は“お酒”ですねぇ?」
“お酒”!?
「うん!伝説のお酒。“ブランデー”って言うんだって。すっごく簡単に手に入ったんだよねぇ。」
「ちょっと待ってください!!柊さんと蓬さんはいいとしてボクは未成年ですよ!?お酒なんて飲ませないでくださいよ!!」
頭がくらくらしてくる…お酒に弱いのかな。
「少しなら大丈夫よ!元気出たでしょう?」
「ふ、ふざけないでください…。ボクは未成年で…。」
「おやおやぁ。詩句顔が真っ赤ですよぉ?大丈夫ですかぁ?」
「大丈夫…じゃないです。ちょっと外に行って来ます。」
ボクはそういって喫茶店を出た。
ボクは元からこんなにお酒に弱いのだろうか?これじゃ成年になっても飲めない気が…。
「おい!詩句大丈夫か?どうした」
目の前に御影さんがいた。
「御影さん?お、お酒に酔いまして」
「お前酒に弱いのか?それじゃあ人生楽しめねぇな。よっしゃ!今日は俺が大人の楽しみを教えてやる!」
そういってボクの腕を引っ張っていく。
別にいいのになぁと思いながらもボクは抵抗しなかった。