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Re: 堕落した天使(グロ注意!)〜オリキャラ男・女募集中!〜 ( No.2 )
日時: 2010/04/06 10:17
名前: 野々花 (ID: F35/ckfZ)

0-1「堕ちてきた人」

肉体のどこかに数字が彫りこまれる…。これが契約の印。

「うわあぁぁぁぁっ!!!!!!!」
奥の奥にある部屋で悲鳴が聞こえる。きっと肉体に数字が彫りこまれたのだろう。
「うわぁ、たったあれだけのことでこんな悲鳴!?」
まったく、どれだけ情けない奴がこのスーパーエリートSSSに入ってこようとしてるのよ?
これじゃスーパーエリートとしてのプライド丸潰れ。あんな情けない悲鳴を上げる奴がSSSなんて。あたしのメンツ丸潰れよ。
「凄く辛そうだね。これで敵の攻撃に耐えられるのかな?」
隣にいるディナの髪の毛をいじりながら喋る。
「まったくよ。ひ弱な奴だったらお断りだわ!」
「あの方が自らSSSにと仰っているからには、とても素晴らしい方なのでしょう」
「ふん!マスターのえこひいきなんじゃない?アンタと同じでさ!」
あたしはディナが嫌い。ディナが大っ嫌い。あたしが死ぬほど努力してSSSになったのに、アンタは何の努力もなしにSSSになった。マスターのえこひいきよ!!随分とマスターに気に入られているものね!
「私はえこひいきではありません」
「その証拠がどこにあるっていうのよ!!機械人形のくせに!!」
「私はあの方のために人間からアンドロイドへと変わりました」
「はぁ!?アンタマスターの言うことならなんでも聞くってーの!?」
ここが嫌い。「あの方のために」ってとこが嫌い。コイツはマスターが言ったことならなんでも聞くのよ。「死ね」と言われたら死ぬのよ!!
「はい」
「死ねと言われたら死ぬの!?」
コイツと会話したら必ず喧嘩になる。あたしばっかり熱くなって、コイツは冷めたまま。これじゃあたしが馬鹿みたい。
「はい」
「まぁ、その辺にしなよ。ね?」
相変わらずディナの髪をいじったままなだめる。
「!!」
シードだってディナの仲間。シードも血が滲むぐらいの努力をしてきた。それなのに悔しくないの!?こんなえこひいきに負けてんのよ!?
「アンタは悔しくないの!?」
「何がかい?」
そうやってとぼけた声で返す。ホントは全部わかってるくせに!!
「死ぬほど努力したのに、こんなえこひいきに負けてんのよ!?」
「ディナだって死ぬほど努力したさ。その姿がマスターに気に入られた。誰だって努力しなければ、何かのお気に入りになんてなれやしないさ」
「うるさい!!黙ってよ!!」
あたしだって努力してる…。でも、誰もあたしを見てくれない。マスターは誰にでも平等というけど違うわ!あたしは、誰にも見てもらえてない!!
「…新しい仲間だ」
マスターの声。マスターは死神みたいに黒い長いコートを着ていて、声しか知らない。声からして男ということが特定できる。
「…」
さっきまで泣き叫んでいたのだろう。目は真っ赤に腫れ上がっていた。
「これが新しい仲間のカイリ・アサミ。型番は0-1だ」
「…」
カイリと呼ばれたその人は、放心したようにぴくりとも動かなかった。その状態のまま手錠を外され、SSSの部屋に投げ入れられた。
「ディナ、何も不自由はないか」
「はい」
「そうか。ならばいい」
そして部屋の鍵を閉めて出て行った。他の人にはなんの声もかけずに。
「ほら、そこがえこひいきなのよ!!」
「…。なら、貴女も気に入られればどうですか」
「っ!!」
そんな目で…。見ないでよ…。
「やめなよ…。仲間割れは、よくないよ…?」
さっきまでの放心した0-3だった。