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Re: 堕落した天使(微グロ注意!)〜オリキャラ男・女募集中!〜 ( No.27 )
日時: 2010/04/08 16:49
名前: 野々花 (ID: F35/ckfZ)

0-6「逃亡許可」

「ディナ…。逃げろ」
「マスター…?」
逃亡を企てている真っ只中にそう言われた。
「お前ももう外の世界が見たいだろう?」
ディナ。貴様は私を裏切るつもりだろう?知っている…。それならしたいようにしろ。好きにすればいい。…後で後悔するのはディナだ。
「はい。ですが…」
恐らく…。私達の逃亡計画を耳に入れたのでしょう。
「SSSの仲間を連れて行け。元は外の世界の人間だった奴もいる。様々なことを学んで来い」
私を裏切ろうとした罰を受けるがいい。
「マスター…。感謝します」
外には凄腕の暗殺者ぐらい潜めているでしょう。私は生まれたときからマスターと一緒にいます。それぐらい解ります。
「ああ、行け」
「それでは」

「…ここから出ることの許可が出ました」
「「「えっ!?」」」
流石にシードも驚いた。逃亡計画を練っている最中にそんなことを言われれば、バレたとしか思いようがない。
「やったわ!!やっとこの牢屋の中から出れるのね!」
そんな事を知りもしないリンは喜んで荷物をまとめる。
「…」
死神コートのおじさん、また嘘ついてるんじゃないのかな…?
「ほら、さっさとしなさい!!」
「あ、うん…」
どうも気が乗ってこないな…。
「…」
気づかれたか…。外にはかなりの仕掛けがあるだろうね。僕達を罰するつもりだ。
「…シード」
「うん、解ってる。皆、外には何か危険なものが仕掛けられているかもしれない。気をつけて進もう」
「まぁ、こんな場所じゃあね。何があってもおかしくないわ」
「だよね…。なんか怖いな…」
そして注意しながら外へと出た。
「うーん!空気がおいしい!!」
久々に緑を見たわ!今までの牢屋は灰色ばっかりだったもの!
「うわぁ、綺麗だ…」
真っ青な空に真っ白な小鳥が飛んでいる。木々は生き生きしていて水は澄んで綺麗。
「…」
このような世界があるのですか…。今までのコンクリートに囲まれた世界が嘘のようです。
「見ーつけた」
背筋を這いずり回るような嫌な声。あの世界でよく聴いた声。狂ったような人間の声…。
「SSS」
「SSS」外に出てからは聴くことがないと思っていた最高にして最低の階級。今までの世界では最高の位。しかし、外に出れば人の道から外れた最低の位。
「はははっ、いいな。その命…。SSSの命を奪えば、私は永遠に生き続けることができる」
あの死神みたいなおじさんが言ってた。ここにいる4人の写真を手渡して「始末しろ」って。「この4人を始末すれば永遠の命を手に入れることができる」って。ふふっ、覚悟してね。私の永遠の生のために…。
「覚悟してね」
薙刀のような形の刀を手にして、もう一つの手には拳銃を握る。
「…」
リンは恐怖に震えていた。
「…君」
そこで口を開いたのはカイリだった。
「ははっ、一番最初に死にたい?いーよ」
「あのさ、死ぬのが怖いの…?」
なんとなく僕に似てる。僕は死ぬのが怖い。
「!!」
な、んで…。何でよ!?何でなのよ!?ただ人殺しが好きな狂った人間と思われていた方がまだマシよ!!私の弱みを握られるなんて…!!!
「貴様ぁっ!!!!」
拳銃は投げ捨て、薙刀のような形をした刀だけで襲いかかる。
「!!」
怖い…!動けないよ…!!
「終わりです」
額の中心に銃口を突き付ける。薙刀のような形をした刀を持った手は変な方向に捻じ曲げて。
「あうっ!!」
腕が痛い…!折れる、折れるっ!!
「…」
トリガーに指をかける。
「ひいぃっ!!イヤッ、イヤァーッ!!!!!」
どうすることもできない。今まで集めた命が、ここで簡単に消えるなんて…!!私より強い人、いたんだ…。
「…降伏しませんか?」
「降伏…?」
この銀髪女の仲間になるってこと?…。いいかも。これだけ強いなら簡単に死なないし。仲間になって和解して油断ができたときに殺すっていう手もあるし。
「…」
和解後の離反も想定済みです。貴女が勝つことはできない。
「いいよ。でも、その代わり私もアンタ達みたいに強くなれる…?」
「貴女次第です」
「そっか、ふふっ。いいよ。宜しくね」
この銀髪女はなかなか難しいだろうけど、あとのヤツは簡単そうだし。
「やっ、やだ…。何やってるんですか!?」
見るからに殺人ですよ!?しかも片方は連続殺人犯で指名手配されてる人じゃないですか!!
「けっ、警察っ!!」
でもどうしましょう。携帯なんて持ってませんし、公衆電話もありません。
「でも、ボク…。携帯持ってなかった」
「はぁっ!?」
リンの甲高い声が響く。
「あ、声可愛い」
なんとな思ったことを口にしてみた。
「てゆーか、あたし達どうすればいいわけ!?もしかして殺人未遂扱い!?信じられない!!」
あー、もー!!逃げた方がいいわけ!?でも逃げたら怪しい!?
「わっ、どうしよ…」
せっかく牢屋みたいなトコから出れたのに…。今度は本物の牢屋に入っちゃうのかな?
「大丈夫です。誰にも言いません」
何か面倒になってきたし。
「腕、いい加減離してよ」
ずっと押さえつけられてて感覚ないじゃん。
「申し訳ございません」
「ねぇ、ボク道に迷ったんです。連れて行って下さい」
「…何か予想外だね」
僕らを消す為の何かがあったことは予想できたけど、まさかこんなことになるとは…。
「はい」

〜瑠李さん・青りんごさんへ〜
レイランちゃんとエルマーちゃん、こんな感じでよかったでしょうか?違ったら言って下さい。