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0-2「善と悪」

「はぁ!?堕ちてきたばっかの新人に何が解るのよ!?言ってみなさいよ!!」
「え…?それは…」
この人、怖いな…。すごく怒ってるんだ。僕があんなこと言ったから…。
「さっさと言いなさい!!」
「…」
何も言えない。僕はここの規則なんて知らないし。何でこの人がこんなに怒ってるかも知らない。
ただ、あの銀髪の女の人と喧嘩してたから…。それを止めようとしただけ。
「だって…。仲間同士が喧嘩してちゃ悪い人なんて倒せないよ…?」
あの死神コートのおじさんが言ってたんだ。「ここは悪を倒す善の組織だ」って。
「…」
金髪の女の子が急に黙り込んだ。
「悪を倒す…?」
「うん、そうだよ」
「あの死神みたいなコートの人が言ってたの?」
「うん」
「それは嘘よ。こんなあたし達を善と言うの?そんなわけないじゃない!!」
「えっ…?」
死神コートのおじさん、嘘言ったの?
「あたし達は全世界が敵とみなす悪よ!エリートを悪という馬鹿共を排除するのがあたしたちの仕事!でもね、それが悪なのよ」
「そのお仕事自体を悪というの…?」
「そうよ!善い事してる気分だけど、世界にはそれが悪に見えるの!」
「そうなんだ、なんだか不思議だね」
「馬鹿ね。馬鹿以外の何でもないわ。ほら、じき戦いが始まるわよ。準備しなさい」
「戦う時間があるの?」
「あたし達の敵が動く時間は決まってないわよ。でも…。本能的に感じるの。もうすぐ戦うって」