ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 堕落した天使(微グロ注意!)〜オリキャラ男・女募集中!〜 ( No.71 )
- 日時: 2010/04/10 22:55
- 名前: 野々花 (ID: F35/ckfZ)
0-9「鬼神、再来」
「わー、大変そう」
「ホントですね〜。助けましょうか〜」
そこでは、昨日色々とお世話になったレオンさんが戦っていた。
「レオンさん大丈夫!?」
「お手伝いしますっ」
「あぁ…、すまない。なかなか強敵だ。気をつけろ」
魔物は何かに悲しみ、狂ったように強くなった。
…。鬼神に何かあったか?まさかな、あの鬼神が…。
「っ!!」
痛いわね!!
「だりゃっ!」
右の回し蹴りで敵のわき腹を蹴る。
「行きますよ〜」
両手から巨大な火の玉をつくり、魔物に向かって投げる。
「ていっ、たぁっ!」
一見頼りなさそうな鉄扇だが、思った以上に痛い。レイランは攻撃も援護もできる万能キャラだ。
「神よ…。我らに祝福を!」
僕は主に援護。本当にすることがなくなったら攻撃に回る。
「ふふっ、消えちゃえ」
銃を連射する。その攻撃で隙ができた敵には接近戦に持ち込む。
「ふっ、はぁっ!」
大剣を振り、周囲の敵をなぎ払う。
「…」
ここまで魔物が強くなった理由は一つしか考えられない。あの鬼神が…。死んだ。
『シード…。シード…』
「ディナっ!?」
ディナの声が聞こえた。確かに聞えた。
『私は貴方の傍にいます。悲しまないで…』
「ディナ…。ディナっ!!」
今度は姿まで見えた。でも、ディナは遠ざかっていく。消えていく後ろ姿を追う。
『ふふっ』
ディナが笑った。今まで笑うことのなかったディナが笑った。そこで解った。
「偽者…」
例えどんなことがあってもディナは笑わない。笑えない…。
『バレちゃったね…。ねぇ、僕は悲しいのかい?大切な者を失ったから悲しいのかい?』
「…?」
今までディナだった姿は、性別も体型も解らない深緑のロープを着た姿に変わった。
『僕は後悔してるのかい?ディナを殺したから後悔してるのかい?』
「後悔、してるよ。彼女の代わりに僕が死ねばよかった。僕のことを大切に思ってる人はいない」
『僕を大切に思ってる人はいるよ。だから彼女は犠牲になった。解らないのかい?』
「…!」
ディナは自分の死を恐れずに、僕を生かした…?自ら死を選んだ…?
「ディナは僕のために死んだ…?」
『やっと解ったかい?それを理解した時に、もう一度彼女は目覚めるよ』
「シード…」
冷たい湖からその身体を起こした。その声は、今まで僕が想ってきた大切な人の声。
「いつまでも終わったことを後悔し続けても仕方がありません。今は前に進もうと思わないのですか?私のことを忘れようと思わなかったのですか?」
「ディナ…っ!」
いつもは口数が少ないディナ。そのディナがこれだけ喋るなんて…。怒ってるのかな?
「ディナ…。せっかく逢えたのに怒るなんて…」
「『せっかく』なんて…。私はいつも傍にいました。なのに貴方が前に進もうとして下さらないから…。いつまでも目覚めることができませんでした」
「…;;」
わ、なんかコワっ…。僕は本当に後悔してたのに、悪い人みたいじゃん…。
『私も本当は逢いたかったのです。感情が上手に表現できないだけ…』
「…」
私と同じ喋り方に同じ声。
「この者は…?」
「僕を正気に目覚めさせてくれた人」
「そうですか…。ご迷惑をお掛けしました」
『構いません。こうして逢うことができたのならば幸いです』
「…」
人真似ですか…?それより、接する人の鏡と言った方がよいでしょう。
「おい、そこの3人。何をしている?」
「何って…。何だろう?」
会話?再会を喜んでる?喧嘩?うーん、何だろう。
「如月さん…」
私を色々とかばってくれた人です。
「ディナか。これは仲間か?」
「はい、そうです。怪しい人物じゃありません」
「そうか」
「さぁ、進みましょう。如月さんはついてきます?」
「…あぁ」
ディナには多額の金で世話になったからな。