ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 堕落した天使(微グロ注意!)〜オリキャラ男・女募集中!〜 ( No.73 )
- 日時: 2010/04/11 19:47
- 名前: 野々花 (ID: F35/ckfZ)
1-0「もう一度やり直せるならば」
「進むって、どこに進むんだい?」
今まで一人だったのに、ディナ、如月さん、人の鏡のような人。4人になったけど、昔みたいににぎやかではない。
「0-1達の元へ行きます」
「…。許してくれるかな?」
ディナのことだから、何か考えがあるんだよね?
「さぁ」
「『さぁ』って…」
何の根拠もないまま「仲間に戻して下さい」っていうの?カイリ君が許してくれたとしても、リンは許してくれないよ。絶対に。
「そういえば君、名前は何と言うんだい?」
人の鏡…って今は呼んでるけど、名前ぐらいあるでしょ?
『僕はアイリス』
「ふぅん、アイリスか。宜しくね?」
『宜しく』
「あと少しです。まだ歩けますか?」
昨日の朝5時に出発して、今は夜になっている。
「俺は平気だ」
「僕も大丈夫だよ」
『私もまだいけます』
「それでは行きましょう」
「くそ、倒しても倒してもきりがない!」
倒しても倒してもまだ現れる。
「めんどくさいわねっ!!」
倒してから出てくるんじゃなくて、最初からいっぺんに出てきなさいよ!
「いつ終わるんだろ…」
これじゃMPがなくなるかもしれない…。
「疲れてきちゃいましたね〜」
もう腕も足も痛いです〜。
「もー、皆そんなに死にたいの?」
死にたがり屋だね。勿論、望み通りにしてあげるけど。
「ボク、もう疲れちゃいました…」
鉄扇を振り上げ続けて腕が痛くて…。
「静まりなさい。私はここにいます」
「!?」
透き通っていて女神のような声。そして、今まで相手にしてきた魔物はその女神の声の人物に寄り添う。
「何故襲ったのです?独断専行は許しません」
「「「「ディナっ!?」」」」
そこには地に着く長さの銀髪を持ち、妖艶な真紅の瞳を持つ美女が佇んでいた。
「貴方方の場所へ還りなさい」
澄んだ声での命令で魔物は帰って行った。
「何で…っ!?」
もう…っ!何のためにあのとき、悲しんだのよ…!!
「生きてたんだね!」
よかった、ディナがいると心強いし。
「あんなに強いんだもん。簡単に死ぬはずないよ」
それに、私は死なないと思ってついてきたんだし。
「あぁ、ディナ様…。よかった…」
あのときのボクの愚かさには後悔しています。ですが、ここでもう一度お会いすることができるなんて…。
「仲間か?」
事を知らないレオンさんは首をかしげる。
「はい!死んだはずなんですけど…。やっぱり簡単には死んでなかったみたいで!」
「そうか、それは喜ばしい出来事だな」
「はいっ!」
「…」
ここまで笑顔のコイツ等は見たことがない。自然に口元が緩むな。
「なんだかお仲間ゾロゾロひきつれて…。あんた達、いったい誰なのよ?」
また不審な奴らばかりね。
『あたしはアイリス。あんたは何て言うの?』
「あたしはリン。こっちがカイリ。あれがエルマー。あっちがライティーニ。で、あの人がレオンさん」
『あっそ』
「なんなのよ!?」
あたしと同じ声で、あたしと同じ口調でしゃべるなんて気味悪い!
『別になんだっていいでしょっ!?』
「はぁっ!?」
「まぁまぁ、そこまでにしよう。ねっ?」
『あんたが言うなら…』
「ちっ!」
それはあたしの台詞よ!
「僕達の仲間も紹介するね。さっきリンと会話してたのがアイリス。こちらの方が如月 悠也さん」
「あっそ…」
なんか気まずいわ。あのとき追いだした奴が何の恨みもなさそうに話しかけてくるなんて。
「あのさ!」
カイリが何か思いついたように口を開く。
「何だい?」
「また、昔みたいに仲間に戻ろうよ!ディナも生きてるんだし…」
「そう言ってもらえるのは嬉しいよ。でもリンは…」
「いいのよ、あたしも悪かったと思ってるし。よく考えれば、あんたがそんな事してメリットなんて何一つないのよね。あんたはディナ大好きだったし」
「許してくれるのかい?」
「もうっ!あんた達がいなけりゃ、うちの攻撃役がいないのよ!ほら、わかったらさっさと寝る!!明日には出発よ!!」
「出発って、どこにだ?」
きっと誰もが思った疑問を口にするのはレオンさん。
「あたし達の大切な仲間、シードの手を使ってディナを消そうとした卑劣漢、マスターを倒しに行くのよ!」
「俺は同意していないが…」
勝手すぎても困るものだな。まぁ、前だけを見つめて進んでいくのがリンのいいところだろう。
「ついてきてくれないんですか!?レオンさん、凄く頼りになったのに!!」
ショックそうな瞳で見上げる。
「…」
そんな瞳で見るな…。
「解った、ついていこう…」
半ば無理矢理だな。だが、泣きそうな瞳をされては…。
「やった!有難う!!」
「では、明日には出発で宜しいですね?如月さんはどうなさいます?」
「ついて行くと言っただろう」
金を条件に手を貸してきたからな。今だってそれは変わらん。今だってディナから金で世話になっている。
「では、明日には向かいましょう」