ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 堕落した天使(微グロ注意!) ( No.79 )
- 日時: 2010/04/11 22:35
- 名前: 野々花 (ID: F35/ckfZ)
1-3「歪んだ愛情」
「ディナよ…。私を殺す気か」
私は一つ最大のミスを犯した。それはディナを不死に造り上げたことだ。だが、造ったのは私。勿論解除もできる。
「ふっ、ふははははっ!!!よかろう、ディナ。かかってくるがいい!!烏合の集の力、思い知らせてやろう!!」
神より上になるのは私だ。誰も神に反抗することは出来ぬ!!
「このあたりの敵は最強でしょう。気をつけて下さい」
戦闘を極力避け、疲れていない状態でマスターとの戦いに臨みたいです。
「周囲の警戒を怠るな。油断すると飛びかかってくる」
悠也の適切な指示。
「きゃぁっ!?」
「レイラン!大丈夫かい?」
「この壁…。炎がっ!!」
その声を合図にしたように、今通っている0-5の廊下の壁から炎が吹き出る。
「伏せろ!ほふく前進だ!」
レオンのよく通る声での指示。それをすぐに実行した。
「フルリールが力、見せて差し上げます」
そして、炎が出る壁を凍らせた。
「ですが炎と氷では炎の方が勝ります。急ぎましょう」
「全力で走ります!」
そこで「炎の壁」を操る術師が現れた。
「そう簡単に突破できると思わないで」
「あんた、騙されてるのよ!?マスターに『悪を倒す善の組織』って言われたかもしれないけど、そんなことない!マスターやマスターに仕える奴は全部悪よ!!」
「あのお方は嘘を?」
「そうよ!あんたは騙されてたの!あたし達、いまからそいつを倒しに行くんだけど、一緒に来ない?」
「…行くわ」
「決まりね!行きましょ!」
戦わずに仲間を得るってあたしって天才かも!!
それからは難なくマスターがいる部屋へたどり着いた。
「ほう…。焔、フルリールよ、私を裏切った大罪、その身に刻みこむがいい!!」
そして、その姿を悪魔に変え、開戦を告げた。
「悪魔…?」
「悪魔ですね〜。何と恐ろしい〜」
「私を悪魔というか?この愚民め!私は今、神となったのだ!!」
「神様ですか…?」
「うん、そうだよ。神様。本当の神様を超える、悪魔の神様。悪い神様だよ」
「私が愛した部下達よ、私を裏切った罪だ!!」
地は割れ、空からは耳をつんざく雷と共に雨が降る。
「…」
ディナが左腕を横に振ると、地が割れ、真っ逆さまに落ちて行く身体がバランスをとり、宙に浮く。
「ディナよ、何故私を殺す?ここまで愛してやったというのに…」
「歪んだ愛情なら、必要在りません」
「ディナ、覚悟するがいい。これでお前は終わりだ」
ディナを操作するためのリモコンを手にとって、赤いボタンを押す。赤いボタンは「自爆」を意味する。
「ふははははっ!!!貴様は後1時間だ!!」
「皆さん、私は後1時間で死にます。それまでに決着をつけるためには、皆さんが全力で向かうしかありません」
急に告げられた余命。悲しくはありません。恐れさえもありません。今はあの方を殺すことだけできればいい。
「解ったわ!」
「ディナ様の命にかけて!」
「行きますよ〜!」
「神様だけど私は殺すよ。カイリと選んだ未来だもの」
「エルマー、どっちも生きて帰ろうね」
「ラブラブしてんじゃないわよ!ほら、さっさと戦いましょう!!」
「ディナ」
「シード。急いで下さい」
今はどんな時間も惜しいです。
「ディナが逝くときに、僕も逝くよ」
「貴方は生きて下さい」
「ディナがいない世界なんて、死んだ世界だ…」
僕自身がディナを消したときだってそうだった。ディナがいなきゃ僕は死んでいるのと同じことだ。
「…」
今そのようなことはどうでもいいです。目の前の敵に集中していれば、私も貴方も逝くことはありません。
最終決戦が、始まる………。