ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 堕落した天使(微グロ注意!) ( No.80 )
- 日時: 2010/04/11 21:56
- 名前: 野々花 (ID: F35/ckfZ)
1-4「悪魔という名の神は父」
最終決戦は、誰もが死にもの狂いで戦った。もう、ここで死んでも構わないという風に…。
「ふはははっ!!雑魚がどれだけ群れても、私を倒すことは出来ぬ!!」
最強の悪魔、神は底知れぬ強さを秘めていた。どれだけ攻撃しても体力が減った手応えはなかった。
「父様」
「っ!!!」
その言葉が呪いのように頭の中で響く。
「父様。私を愛して下さった父様。ですが、愛しすぎた故にこのような悲劇を呼んだ…。哀れな父様」
その言葉はディナが発したものだった。この悪魔という名の神を「父」と呼んだのだ。
「ディナ…っ!!!」
「父様」という言葉が頭に響く。正直言うと、今までのどんな攻撃よりも痛むものだった。
「私が鎮めて差し上げましょう。哀れに彷徨い続ける父様の魂を…」
私の父様…。悪魔という名の神は故人。私の死を深く悲しみ、悪魔にその魂を売り、私を復活させた。
「ディナ…。ディナ…。愛しい我が娘よ…。考え直してくれ…っ!!」
「…。もう、これ以上貴方の歪んだ愛情を受けても幸福を感じません」
「何故だ…?」
「私には、貴方よりも私のことを思って下さっている大切な仲間がいます。貴方の愛情は必要無い」
「!!!!」
愛しい妻にも軽蔑され、愛した娘にも軽蔑され…。私は哀れだ。誰を愛しても拒絶される…。それならもう、誰も愛さない。だから、愛した人物を残さず消す。
「ディナよ、あと30分だ。我が愛を拒絶した罪を感じ果てるがいい!!」
「後悔はしません。30分後、貴方の愛を一度だけ受け入れましょう」
最初で最後の愛を受けて差し上げます。哀れな貴方の報いです。
「残り30分、死ぬ気で戦いましょう!!」
ディナには生きていてもらいたい。でもそれは無理な望み?
「このフルリール、命をかけます!」
私怨のために。騙されるのは嫌いですので。
「ディナさん、安心して下さい!死なせはしません!」
「…」
誰に何と言われようと私は死ぬ。この運命を覆すことはできません。
あと、1分…。