ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ________ doll house ... ( No.3 )
日時: 2010/06/02 01:18
名前: 牙暁 (ID: 3r6DhwLS)

 ■第01話

prrrrrrrr……

自分の携帯の目覚まし音で目を覚ます。
重たい目を擦って時間を確かめた。

「……やば、8時15分…」

学校が始まるのは8時30分から。
残り15分で遅刻確定だ。

あたしは廉條 日向。
毎日毎日同じ様な日々に飽きてきた、中3の春の事である。

急いで顔を洗い、制服に着替える。
鞄に食料(お菓子)を出来るだけ詰め込み、家を出る。
勿論、少女漫画的に食パンを銜えて。

「今は24分。まだ間に合う……!」

あたしの家から学校まで、徒歩で10分。走って5分である。

大道りに出ると、交差点の前に幼馴染の篠原 壱架の姿を見かけた。

「壱架も遅刻?」

あたしが背後から声を掛けると、壱架は振り返った。
遅刻仲間ができ、少し安心した様な表情をして答えた。

「ああ、昨日変な夢を見て……」

珍しい…、壱架が寝坊するなんて滅多にない。
雨でも降るんじゃないか。

「どんな夢?」

「女の子が人形で遊んでる夢」

「気持ち悪いな……」

其の会話が最後に、あたし達は学校に着いた。
因みに、只今の時刻は8時36分。

教室に着くと、既に授業が始まっていた。
教壇の上の白井先生は、ニヤリと笑うと言った。

「おっと、アベックで遅刻か?」

一瞬あたしは白井に殴ろうと思ってしまった。


しかし、まだ此の時あたしは気付いてなかった。


今から起こるなんて、想像さえしてなかった。