ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: _____doll house ... オリキャラ募集中 ( No.26 )
日時: 2010/06/02 01:19
名前: 牙暁 (ID: 3r6DhwLS)

 ■第04話

職員室は、東校舎3階に有る。
因みに、あたし達の教室は西校舎の1階。
結構遠いから、あたしは滅多に立ち寄る事は無い。

職員室の前に来た時、一瞬子供の笑い声が聞こえた様な気がした。
恐る恐る、あたしはドアに手をかける。

嫌な予感がした。

職員室に入ったあたし達は驚いた。
部屋の中心に、赤い服を着た女の子が沢山の人形を抱えて笑っている。

「あれ? お姉さん達、如何したの?」

あたし達に気付いた少女は、此方に向かって不気味な笑みを浮かべる。
其の瞬間、鳥肌が立ち、逃げたく為った。

「先生に会いに来たの?」

「そ、そうだけど」

小学3年生位に見える其の少女は、くすくすと笑い始めた。

「残念だけど、先生はもう居ないの」

そう言いながら、少女は人形を抱え直す。
其の時の表情は、とても嬉しそうに見えた。

「それじゃあ、鬼ごっこ頑張ってね」

少女は其れだけ言って、満面な笑みで職員室を出て行った。

残されたあたし達は暫くの間、呆然と誰も居ない職員室を眺めていた。

「なあ、あの人形……」

「うん。あの人形は確かに、先生達に似てた」

其の瞬間、あたし達の脳裏に、さっきのメールの内容が浮かんだ。


 『捕マレバ、僕ノ大好キナ、オ人形ニ為ッテモラウヨ』


「真逆、あの人形は先生?」

「だとしたら、鬼ごっこは本当に開かれるかも……」

あたし達は時計に目をやった。
『AM9:57』
職員室の時計が正確なら、3分後、恐怖のゲームが開始されるのだ。

只、鬼から逃げるか。
鬼と互角に戦うか。

どちらにせよ、其れしか生きる道は無い。



もう此処は、dollhouse の世界なのだから。