ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re:       不思議な少女 ( No.2 )
日時: 2010/04/11 18:09
名前: 悠祈 (ID: EeSEccKG)

*01 恐怖の芽生え

「さよなら」
そんなに仲のいい友達がいないあたしは今日もまた一人で家に帰る。
「さようなら」
別に、同情しあいで、偽りの友情。
みな、自分の悪いところを棚に上げ、他人の悪口ばかり指摘する。
「誰にも言わないでね。今日さ、見ちゃったんだ〜!優衣ちゃんがフられてたトコ!」
「マジで!?だっさ〜!やっぱ、玲に告白してた!?」
優衣ちゃんってことは、1年生。一つ年下だ。
あ、あたしは中学2年生。
恋とか、あんまり興味がなく、悪く言えば孤独。

あたしは、そんな1年生の愚痴を聞きながら帰って行った。
その、1年生とちょうど別れた瞬間。
もう、お分かりでしょう。
そう、そこにはあの少女がいた。
雨でもないのに傘をさしていて、洋服は前と違った。
裾のほうに紅葉の刺繍がしてある秋っぽい服だった。
そして、また曲がり角で消えた。
「……ど…して…」

その時から、少し恐怖という感情が芽生えてきた。