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どこからか、カラスの鳴き声が聞こえていて、

灰色の空からは白い粒が降ってきた。


「雪だ……」

私は、急いで手に持っていた赤い傘をさした。
今から雪村の家へ行かなければいけない。


雪村　大地、

何かしら頭が狂っている18歳の男。


どこで出会ったかさえ忘れてしまった。
急に話しかけられて、電話番号聞かれて、あいつは交番に連れられて。

結果的に、

私の知り合いだったらしい。

あんな変な奴が知り合いとは、
悲しい事だ。


早足で雪村の家へ向かうと、

何かを知らせるように、強く冷たい風が私の真正面から吹いた。



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