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Re: ヤンデレ美女に愛されて(監禁、微グロあり、注意! ( No.6 )
日時: 2010/04/14 16:26
名前: 野々花 (ID: F35/ckfZ)

第二話「悪女は動く」

「…高橋さん」
携帯を取り出し、かなりの速さで電話をかける。
『はっ、お嬢様』
「綺堂家を…売りなさい」
欲しいものの為ですもの。なんでもいたしますわ。
『はい。その代金はどういたしましょう?』
「全て私に下さい」
『了解。では今すぐに売り飛ばします」
「お願いしますわ。ふふっ、流石高橋さん。仕事が速くて助かりますわ」
『お嬢様のお役にたてて幸いです』
「では、任せましたわ」
『はい』
「ふふっ、貴方のことですもの。何の考えもなく付いてきますわよね?」
独り言のように呟く。誰かに聞かれていても別にかまわなかった。

「喜べ男子っ!!」
内田先生のしっかりした声が響く。
「何々!?」
内田先生は可愛いし優しいし、明るいし。三拍子揃った美女だ。いい加減すぎるのが欠点だが。
「転校生よ!しかも超☆美少女なんだから!」
「おぉーっ!!」
彼女募集中の男には何とも嬉しいニュースである。
「けっ、くだらねぇ」
綺麗な女ってだけでそんなに騒ぐかよ。
「アンタはくるみちゃんいるものね〜。他の女になんて興味ないでしょ?」
アンタみたいなのにくるみちゃんは勿体無いわ!すっごくいい子なのに、こ〜んな悪いこと付き合っちゃうなんて…。あぁ!あたしが育てなおしたい!!
「たりめーだ」
告白してきたのはくるみの方。他の女みたいに色目使ってくるわけでもなく、化粧で綺麗に見せようとしてるわけでもねー。俺はそこが気に入った。
しかも、告白は手紙じゃなくて言葉。今まで告って来たやつは全部手紙だった。「恥ずかしいから」ってよ。恥ずかしいなら告白なんてするなってーの。言葉の方が気持ちが伝わるだろ?だから俺は言葉がいい。
「さ、入ってきていいわよ」
さっきのざわめきが静まり、扉が開く音がする。
まず最初に見えたのは細くて白い長い脚。黒いニーハイに包まれた脚、膝まである長い黒髪、鼻は高く鼻筋も通っていて、唇はほんのり桜色に色づいた形のよいもの、大きな瞳に長い睫毛…。まるで人形のような美女だった。

「紅獄城 美麗です。宜しくお願いします」

少し低めの声。王女様っぽい声で、Mタイプの男は「ツボ!」と言って喜んでいた。
「おぉーっ!!」
「キレイ!」「美人!」「カッコイイ!」「エロカッコイイ!」など評判は様々だった。しかし、どれも好評だった。男子は顔を見て言葉を言う。
「すっごーい!」
「背ぇ高い!」「モデルさんみたい!」「スタイルいい!」女子は全体を見て褒める。
「…」
今までずっと傍にいたから気づかなかったけど、他の奴らから見たら信じられねーぐらいに綺麗なんだろうな。女神とか…。そんなとこか?
「彼氏いますかー!?」
興奮した男子が問いかける。
「いませんわ。募集中ですの」
その言葉に男子の興奮はさらに高まる。
「さ、こんな男子共はほっといて!美麗の席はあそこよ!あの金持ちには見えない不良の隣!あぁーっ!!こんな可愛い子をあんな奴の隣にしたら不良菌が感染うつるわ!!」
「不良菌て何だよ」
「ふふっ、お兄様…。一緒ですわよ…」
そして、いつものように面白おかしく授業は進んだ。内田先生の授業なら難しいことも簡単になってしまって面白い(適当なだけ)。

「さぁーて、帰るか」
鞄を持ってくるみの教室に行く。
「あ、拓真先輩…」
恥ずかしそうに顔を赤らめる。いやー、可愛い(←溺愛)
「さ、行くぜ」
「はいっ」
手を繋いで歩く。流石に少し照れくさい…///
「あら、仲がよろしいわね」
いつまでそう幸せそうにしていられるか…。見物ですわ。