ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 寂しい町、他人の手。オリキャラ募集 ( No.23 )
日時: 2010/05/07 21:22
名前: 金平糖  ◆dv3C2P69LE (ID: fh.wbL8r)

第6話 スクーシニャ視点。

「あーあ、孝政ってかわいそうな奴!」

金曜日の放課後。
放課後の教室でスクーシニャはケラケラと高笑いをした。

「えー?どーしてー?なんでなんでー?」

德川樰はマスカラを付けるのに全身全霊をかけながらも、スクーシニャの言っている事がとても気になっていた。

「アンタには関係ない!
 そんな事より、なんで教室に残ってんの?いつもなら藤堂や三谷と遊びに行ってるくせにさ」

スクーシニャは携帯で何か打ちながらも、樰と会話を続けていた。

「なーんか、スクーシニャちゃんいつもとちがーう!
 それにー、ユリアっちとアズりんはーただの私の引き立てやくぅー!」

髪の毛をぶんぶん揺らしながら樰は呟いた。
德川樰はお喋りとオシャレが好きで、元気な少女である。
そしてこの学校で三本の指に入る美少女である。
本人もそれに気付いており、やりたい放題している。
彼女は基本容姿が普通以下の人間とは会話をしない……つまり人間を選んだり、苛めとかを間接的に安全圏から盛り上げたりと……
つまり彼女は性格が悪いのだ。
德川樰の取り巻きの藤堂と三谷も美少女の部類に入るのだが、
德川樰はその二人の事を引き立て役と言っている、しかし実際に德川樰と一緒に居ると見劣りしてしまうのは確かなのだ。
背中位までの髪を茶色に染め、ふんわりとしたカールをかけ、ナチュラルメイク……に見える厚化粧をした德川樰はどこかのお姫様のようである。
それに、少し色素の薄いパッチリとした目。
その目を引き立たせるように長いまつげ(これは化粧)。

「パッと見た感じ性格良さそうなのに中身が腐ってちゃーね……
 アンタは腐ってる奴!」

そして学校一と言われている容姿を持つスクーシニャは、樰を指差して笑った。
癖のある金色の髪は、夕日に照らされてキラキラと輝いており、どこか神秘的だった。
皆勘違いするだろうスクーシニャが女だと。
しかし残念な事に彼は男。
はたから見れば美女二人だと思えるが、実際の所スクーシニャは男なのだ。

「まぁ、そんな事より……
 これからどんどん面白くなるんだ!
 色々な意味でね!あぁ、いったい誰が勝つのだろうか……
 きっと奴は、『何があろうと勝つのは私』って言うんだろうなぁ!」

樰が居るのを気にせず、スクーシニャは声を張り上げ、笑った。

金曜日の放課後。
明日は何も無く。
明後日は映画の試写会。
明々後日は……