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Re: whose hand is that ? オリキャラ募集 ( No.27 )
日時: 2010/05/05 14:18
名前: 金平糖  ◆dv3C2P69LE (ID: fh.wbL8r)

「昨日午後六時、またもテレビ局に『謎のビデオ』が送られた模様です。
 差出人は不明のまま。目撃者は無し、証拠も指紋も無いとの事です……」

ニュースキャスターが淡々と語る。

「いやぁ、怖いですねぇ」

隣りの男が会話を始める。

「これで四通目でしょう。しかも中身がとても不気味ならしくて……
 そしてなんとビデオの中では、『あの』宗教団体について流されているとか……」
「はい。そして今日の七時からの特番でそのビデオの内容が一般にも公開される事になっております」

テレビを見ていた少女は急いでテレビの番組表を見た。

「本当だ……七時から……十時半まで!」

嬉しそうに声を出した後、少女、德川淋は自分の部屋のベッドにダイブをした。
その時にかけていた眼鏡が床に落ちたが、本人はそれを気にしていなかった。

「まさかここまで上手くいくなんて……」

彼女は……德川淋は宗教団体『シーニャヤ シャーパチカ』の副会長である。
元は彼女は普通の高校生であったのだが、ある日謎の男に話しかけられて、この宗教に入れられてしまったのである。
しかし彼女は嫌がる所か、面白がってインターネットを中心に色々な活動をして会員を万単位にまで増やしたのだ。
彼女は会長に名誉副会長に任命された。
もちろん副会長の正体が学校では根暗な本を読んでいるような少女とは誰も知らない。
淋は肩に行くか行かないか位の、短い黒髪を後頭部にぎゅうぎゅうに縛った。
ちゃんとした手入れをしていない髪は、枝毛が何本もあった。
双子の姉とは違い、オシャレと言うものに無頓着な彼女はいつも髪はぼさぼさで、肌は運動しないお陰で色白で綺麗なのに、ガサガサだった。
しかしながらも顔は双子の姉と瓜二つで、パッチリとした目に本数の多いまつげ。
そして、目の色だけは姉と違い琥珀色をしていた。
彼女は一言で『もったいない女』だ。
いつも本を読むか、テレビかパソコン。
学校では牛乳瓶の底の様な眼鏡をかけていて、根暗。
誰も知らないだろうし、気付きもしないだろう。
そして、信じる人も居ないだろう。

それでも彼女は宗教集団『シーニャヤ シャーパチカ』かの副会長なのだ。