ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: whose hand is that ? オリキャラ募集 ( No.29 )
- 日時: 2010/05/07 21:20
- 名前: 金平糖 ◆dv3C2P69LE (ID: fh.wbL8r)
第7話
「特番!宗教団体『シーニャヤ シャーパチカ』と謎のビデオ!」
テレビがつけられたリビングで、德川樰と音樂スクーシニャはソファに座ってその番組を見ていた。
今日は樰の家の母はいつも仕事で帰りが遅く、父は出張で来週まで家に帰ってこない。
つまりこの家にはの、このリビングには樰とスクーシニャしか居なかった。
「ねぇーわざわざこれを見る為だけに私の家に来たのぉー?」
退屈そうに樰は呟いた。
「だってぇー私マンションでほぼ一人暮らしだからぁー、一人でテレビ見るの寂しいのぉー」
スクーシニャは樰の喋り方を真似ながら喋った。
「私の喋り方そんなにキモくなーい!」
樰はスクーシニャの頭をぺスンッと一回叩いた。
「でさ、何でアンタは俺にそんなにピッタリくっ付いてんの?正直キツイし苦しい……」
ついさっきまでは樰はソファの真ん中にどっかりと、スクーシニャはソファのはじっこに座っていたのだが、いつの間にか樰もはじっこに寄ってスクーシニャにピッタリとくっ付いていた。
「別にいーでしょー?減るもんじゃないしぃー。
スクーシニャちゃんがぁーカワイイのが悪いー」
「あー、俺は暑苦しいしイライラしてくるわ……
どうせやるなら淋ちゃんも呼んで、両手に花やりたいなー」
スクーシニャは長い前置きは終わらない物かとテレビをチラチラと観た。
しかし、その横で樰は……
「ねー、なんで淋の事知ってるの……?」
「知ってるも何も同じ学校だし、アンタの妹だろ」
「……そーだけど。その、誰にも言わないよねー?
私、あんな子の双子の姉だって知られるの嫌だもーん」
スクーシニャは樰の顔を見て一回小さく笑った後、
「言っても良い事ないし、言うわけ無いじゃん」
その言葉を聞いた途端に樰の顔はパッと明るくなった。
感謝の言葉を言おうとした時、スクーシニャは樰の口を塞いだ。
「それでは、ビデオを流します……」
スクーシニャはニヤリと笑った。
二階の部屋では、淋も同じように笑っていた。