ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: whose hand is that ? オリキャラ募集 ( No.33 )
- 日時: 2010/05/16 13:42
- 名前: 金平糖 ◆dv3C2P69LE (ID: TQ0p.V5X)
「じゃ、俺帰る」
「えー」
スクーシニャはソファから立ち上がり、鞄を肩にかけた。
「もー帰っちゃうのー?テレビまだ終わってないよー」
「芸能人の感想なんて聞いても意味無いだろ……
どうせアレ全部台本通りの事を読み上げてるだけだし」
彼は手を振りながら、リビングから出て行った。
「スクーシニャちゃん悪い人に捕まっちゃいそう……」
樰はそう呟いた……
予感は見事に的中した。
「君カワイイねー?中学生、高校生?
どっちにしろこんな時間に一人歩きは良くないよー」
スクーシニャは樰の家から出て10歩足らずで男三人に取り囲まれた。
彼は今逃げられない状態になっていたのだ。
「……はぁ」
なんで俺は女みたいな容姿で生まれちゃったんだろ……
自分を取り囲んでいる男三人を見た。
醜い、醜い、醜い……勘違いイケメンか?それとも雰囲気イケメン?どっちにしろ醜い。
男三人は高校2年か3年位で、髪を変な色に染め制服を着崩していた。
ここは相手を挑発しないようにやんわりと……
「なんで髪は緑なのに眉毛は黒いままな訳?ダサい」
て、うわぁー!うっかり本音を行っちゃったー!
今ここで物凄く自分が苛立っている事に気付いた。
そして、それを晴らす様に口からポンポン相手を挑発する言葉が出てきた。
「金髪に染めてるおまえもさ、変だしキモイんだよ!
イエローモンキーの毛は黒いままがお似合いなんだよ!」
そう言いながらいつの間にか自分は、相手に向かって中指を立て舌を出していた。
何をしているんだ自分!
しかしそう思う反面で、自分が今を楽しんでいる事に気付く。
「この***野郎共め!ジャップはジャップらしくおしとやかにしてるのがお似合いなんだよ!」
今自分は笑っているだろう。とても幸せな気分だ。
「こんの野郎……!なぁ、こいつ……よく見たら……」
「テメェ男だったのかよ!よくも騙したな!」
「男なら容赦はねぇぜ……」
あぁ、どうしよう!やってしまった、やってしまった!
馬鹿!馬鹿!俺の馬鹿!いくら辛い事続きでストレスが溜まってたからって……
ここら辺には人通りが少ない……どうしよう……
俺の目の前に三人……
あ!後ろだ!
馬鹿な奴等だ。目の前に三人立ったら後ろから逃げる事が出来るじゃないか。
「バイバイサヨナラ!この****!」
そう言って俺は全力疾走をした。
運動は元々できる方だし、足もそれなりに速いからなんとか逃げ切る事はできるだろう。
ここら辺を走り抜ければすぐに人通りの多い道がある。
「はぁ、はぁ……はは。ちょっと楽しかった……」
今日はどうしちゃったんだろう……
スクーシニャは普段、暴言を吐いたりする様な人間ではなかった。
ましてや相手を挑発したりもしない。
今回は本人の意思関係無く勝手に口が動いてしまったのだ。
「どうしちゃったんだよ……俺……」