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Re: whose hand is that ? オリキャラ募集 ( No.34 )
日時: 2010/05/09 11:54
名前: 金平糖  ◆dv3C2P69LE (ID: fh.wbL8r)

第9話

午後8時30分。
御手洗玄冬は自分の部屋で一人、うずくまって考え事をしていた。
彼の目の前には映画の試写会のチケット、キラキラと光る謎の欠片があった。

「妄想が本当になるとか……有り得ない……けど本当に起きてしまった……」

玄冬はこの謎の欠片を昨日、学校の帰り道に謎の男に渡された。
『妄想が本当になる』と胡散臭い事を言ってきてとても怪しかったが、タダだったのでついつい受け取ってしまったのだ。
そして帰る途中に『じゃー、三国志の映画の試写会に当たり、スクーシニャが猫被るのが下手になって、今日の夕飯はカップラーメンになってしまう!』
なんて適当な事を言って……
昨日なんと偶然が重なり、家の料理担当の使用人が全員休んでしまい夕飯がカップラーメンになった。

これだけなら偶然といえるだろう。

しかし、今日家に帰ったらなんと映画の試写会に当たっていてそのチケットが届いていたのだ。

「これすごいけど……こわいな……
 あ、猫被るのが下手になったスクーシニャに相談しよう。」

玄冬は携帯電話を開き、スクーシニャに電話をした。
彼とは中学一年の頃からなんとなく仲が良かった。
とくに理由は無く、ただ趣味があったからなんとなく会話をしていた。

『もしもし?』

携帯の向こうからスクーシニャの声が聞こえた。

「あ、スクーシニャ!もし妄想が本当になったらお前はどうする?」
『なんでそんな事聞くんだよ……』

気だるそうな声が聞こえた。
玄冬はすこしはしゃいだ。
普段の彼は猫を被り『妄想が本当になるなら、俺は男らしくなりたいね!』
とかの返答をするだろう。

「あのさ、お前が信じるか分からないけど、俺妄想が本当になったんだ!」
『……どんな妄想?』

スクーシニャにどんな妄想を言ったか、そしてそれが本当になった事を言った。
ただ『スクーシニャが猫を被るのが下手になる』は言わないでおいた。

『……ふーん。で、その映画の試写会には行くの?』
「あー、多分行けないかな。その日は塾があるし」

その後、少しだけ間が空いて

『今からお前の家に行く、つーか泊まりに行くから』
「えぇ!?」

思いがけないスクーシニャの言葉に玄冬は唖然とした。
そして、彼、御手洗玄冬はこれからどんどん戦いに巻き込まれて行く……