ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: whose hand is that ? 辛口コメント下さい ( No.36 )
日時: 2010/05/09 12:41
名前: 金平糖  ◆dv3C2P69LE (ID: fh.wbL8r)

「ほぉ、見た目は意外と普通じゃん……」

スクーシニャは妄想が本当になる欠片を弄びながら、機嫌が良いのか鼻歌を歌っていた。

「いきなり泊まるとかなんなの!?」

俺はスクーシニャの着替えとかが入った鞄を一回叩いた。
中には服とかがたくさん入っており、かなり長い間泊まっていこうとしてるのが分かった。

「別に良いだろ。ちゃんと生活費も払うんだし」
「そんな問題じゃない!」

まったく……行き成りコイツは……

「そんな事より本題。玄冬に『これ』を使ってやってもらいたい事があるんだよ」

スクーシニャは立ち上がり話を始めた。

「知ってるか、孝政って二年の濱川陽子の事が好きなんだぜ」

孝政……彼の事は知っていた。
彼とは小学校一年の頃から同じクラスだ。
けれど彼とは少し会話をする位で特別仲が良い訳ではなかった。
そして濱川陽子はめちゃくちゃ胸がデカイで有名だった。
それにしてもなんでスクーシニャはこんな事を知っているんだ……?

「でも、濱川陽子は学と付き合い始めたんだ。
 ま、それでそんな可哀想な孝政にその試写会のチケットをプレゼントしてやれ。
 それと、孝政がその帰り道に濱川陽子と学がイチャついて居るのを目撃する様に妄想してくれないか?」
「……は?」

一度に色々な事を言われてすこし混乱しかけてしまった。

「な、なんでそんな事するんだよ……
 お前孝政と仲良いじゃん……」

スクーシニャは天使のような笑みを浮かべ、

「黙って言う事聞いてくれればそれで良い。
 ……ね?」

俺にはそれが悪魔に見えて仕方が無かった。