ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: whose hand is that ? 辛口コメント下さい ( No.38 )
日時: 2010/05/13 20:19
名前: 金平糖  ◆dv3C2P69LE (ID: TQ0p.V5X)

第10話

日曜日、スクーシニャは玄冬の家の馬鹿みたいに広い薔薇園で薔薇の花弁の枚数を数えて暇を潰していた。
玄冬は塾に行っていて屋敷にはいなかった。

「早くメール帰ってこないかなー」

スクーシニャは携帯をパカパカと開きながら新着メ−ルを待っていた。
彼が待っていたのは、宗教団体『シーニャヤ シャーパチカ』の会長からのメールだった。

「退屈ー!眠くなってきた……」

彼は、スクーシニャはこれからの事を考えた。
『力の欠片』を所有している者が俺のすぐ近くに二人。
榮島孝政と御手洗玄冬。
そして、宗教団体『シーニャヤ シャーパチカ』と『アレフ真理教』
最後に一つ『蛮浄寺』
役者は揃った……物語の幕が開かれたのだ。
スクーシニャは小さく笑い、さっきまで左手に持っていた薔薇の花を地面に落とし踏み潰した。

今、俺は、ある意味での神になっている。
あるいわ、小説の物語を考えている作者だろうか。
俺は外側から見たらただの傍観者かもしれない。
しかし今こうして物語を動かしているのは、まぎれもなく『自分』なのだ。
物語には直接関与していない神か、作者。
なかなかこんなのも悪くない……。
突然、スクーシニャが何かを思い出したらしく、携帯である事を打ち始めた。

「よし。これで火曜日のトップニュースが決定!」

そして、また新着メ−ルが来るのをスクーシニャは待った。