ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 〜Memory〜 記憶を辿る者 ( No.3 )
日時: 2010/04/17 20:20
名前: まーぼぅ (ID: ZYR2ZLjZ)

〜 1st-1 失  〜

305号室は静寂に包まれていた。

春樹の容体は極めて危ないと宣告された。
遼子と春雄の表情はうつむき加減だった。
それもそのはず、つい1年前は春幸が原因不明の病気で死別し、祖母の急死、祖父の行方不明。
春雄は「何かが憑いてる」と春樹の容体を宣告されてから言っていた。

近くには担当医、そして助手らしき者が2名。
しばらく沈黙が続いた。
そのときだった。

ガチャ・・・。

扉が開いた。扉の向こうには春樹の幼馴染である洋介と恋がいた。
洋介はものすごく表情が暗い。
恋は下しか見ていなかった。
「容体は・・・・」
と洋介が沈黙の中言葉を発した。
それに遼子が反応し首を横に振った。
それを見ると恋の瞳からは涙が出てきた。
「 な、なんでだよ・・・・はる・・・・」
「はっちゃん・・・・おきてよ」
洋介と恋が春樹に向けて言うが反応しない。

洋介と恋が来てから15分ほど経っただろうか。
棒立ちの状態だった担当医が言葉を発した。
「お時間ですのでもう1度検査を行います。」
遼子、春雄さらに洋介と恋は次に期待するしかなかった。
4人が思っていることは同じ。
「目を開けて・・・・」

そして担当医と助手に春樹の体は運ばれた。

〜 1st-1 失 End 〜