ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 絶対少女!!  ( No.36 )
日時: 2010/04/28 20:58
名前: ユエ (ID: xjLOmoBs)

【ぼくの クラス 半分も いない】

ヒラヒラと、そんなことが書いてある紙切れが飛んできた。
この文字は……飛鳥だ。 学校から飛ばして来たのか。
なんか脅迫状みたいだな……。

やっぱりこれは、偶然じゃないのだろうか?
(最近ね、行方不明者が出てきているんだよ)

でも、あの大きな氷の塊との関係は?
(最近ね、行方不明者が出てきているんだよ)

だ〜っ、もう。
頭の中おかしくなってくるし!

わたしは早退して、研究所へ行こうとした。

「先生───」
と言って、わたしが立ち上がった瞬間。

パキッ。

氷結したような音がして、先生は動かなくなってしまった。
───先生が、凍ってしまったのだ。

「なッ───?!」

クラスはざわめき、次々と立ち上がる。
だが、先生だけでなくクラスの人までも凍っていく!

パキ、パキ、と。

凍って、動かなくなっていくクラスメイト。
その音は、隣のクラスからもしてくる。

「りッ、りあむ! 時雨!」

そう叫び、わたしは二人を探す。 凍ってないよね?

「こ、心音……!」

返事があったのは、時雨だけ。
りあむは、凍っていたのだ。

「うそッ、嫌だッ、りあむッ」

わたしはりあむに近寄り、触ってみる。
冷たくて、動かないから死んだみたいで、すごくこわい。
このクラスで無事なのは、わたしと時雨だけ。

こうなったら───!

「“絶対”に、この氷は融ける!」

わたしは両手をりあむに当て、能力を使う。
だが、融ける様子が見られない。

パキ。

そんな音がして、わたしの両手はりあむから離れなくなった。
それから徐々に腕へ。 

「ひゃああああッ、わたしも凍ってる!」

すると時雨は、

「“巻き戻し”」

短く呟き、わたしの両腕を指差す。

ぐにゃ、と空間が歪んだような感じがする。
それから凍ってきていた両腕、両手は徐々に自由となってくる。

「あ、ありがとう、時雨!」

「どういたしまして。 そういえば、さっき気づきましたか?」

「え、何に?」

「心音が絶対を使った時、氷は絶対を跳ね返したのを」

絶対を跳ね返す……? 嘘でしょう。
わたしの絶対は【絶対】だから、効かないなんてない。
わたしの能力は【絶対】なんだから!

「それはあり得ないよ、時雨……」

「その、私の予想ですけどもし、もしですよ?
 能力を跳ね返す能力があったら……?」

ぐ、とわたしは止まる。 確かに、時雨の言うとおりかも。
そういう能力者がいたら、絶対も効くかのなあ。

「姉貴ッ! 時雨さん!」

突然、聞きなれた声がして、窓から飛鳥が飛び込んできた。
どうやら、飛鳥も無事な様子。 良かった。

「これ、時雨さんの能力で何とかできないの?!」

飛鳥が早口で喋る。
すると、時雨は困った顔をして、

「凍り始めた人には効くんだけど……。
 完全に凍った人には効かないみたいなんです」

そんな……。
どうしたらいいんだろう?