ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 絶対少女!! ( No.60 )
- 日時: 2010/05/13 18:05
- 名前: ユエ (ID: FzVK5xRK)
日下部さんが能力の効かない、安全なガラス張りの部屋に入る。
勿論、声は聞こえる仕組みになっているのだ。
真っ白な部屋の中心には、わたしとりあむ。
「く、日下部さーん。 わたしたちは、どうすれば……?」
「じゃあ、りあむくん。 言われた通りに、ヨロシク」
日下部さんが椅子に座る。 りあむが少し困った顔で笑う。
───何? 一体、何をするつもり??
「ごめんね、心音ッ!」
りあむが言った瞬間、部屋の床が歪んだ!
ぐにょぐにょっと歪み、わたしの元まで迫ってくる。
ちょっ?! ちょっとこれは、ヤバイ感じっ。
「“絶対”に、わたしはこれを避ける!」
ふわっとわたしの体が浮かび、りあむがわたしを見上げた。
頭が天井につく。
すると、次は天井が歪みはじめた。 もう、何なの?!
わたしは歪みが戻った床へと戻る。
「日下部さん、駄目ですよ〜」
りあむが困った顔で言う。 日下部さんは苦笑い。
「やっぱり制御しちゃうんだね。
───大切な人には、できないか」
この二人は、何の話をしているのか。
ていうか、どうしてわたしは攻撃? されたのか。
全く分からない。
「“意志”タイプはね。
大切な存在には攻撃が緩んじゃうんだよ」
へー。 そうなんだ。
じゃあ今度、りあむの大切な人っていうのを探しちゃおうかなっ。
「それより日下部さん!!
一体、何をしたかったんですかっ」
「りあむくんのちょっとした実験。
それと、心音くんもね」
「「何の!!」」
わたしとりあむの声がハモる。
「二人は“意志”でしょ? 心音くんは“言霊”もあるけど。
だから、二人の攻撃は緩むのかな、っていう」
……なーんだ、日下部さん。
ばかやろー。
路線外れてる気がするのは、気のせいですかー?
「じゃあ質問ですよっ。
どうして“絶対”は反射に効かなかったんですか?
まあ最終的には、効いたんですけどね」
「それ?
個人的には二つの説があるんだけど。
一つは、その美羽って子の裏にもの凄い能力者がいた。
もう一つは、心音ちゃんの能力が緩んじゃったか」
「能力が緩む??」
「うん。
能力を一本の糸にして例えようか。
普通ならピン、と張るんだ。
でも、大切な人への攻撃や能力の妨害。
そういう状態で攻撃すると、能力が緩む。
糸でいうと、ぐにょぐにょしてる状態ね」
ふーん。
何か今日は、色々教えてもらったな。