ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 絶対少女!!  ( No.87 )
日時: 2010/05/28 22:29
名前: ユエ (ID: bcCpS5uI)

「りあむ……?」

静かに、りあむの部屋の扉を開けた。
ちゃんとりあむがいるかを確かめて、安心して。
いつものように、微笑んだ。

「何だよ、真っ青な顔して……」

「りあむってさ………、一人っ子、だよね?」

「…………。 ………どうして?」

───え。 どうして、って?
どうしてその質問をするのか、ということでしょう?
わたしは変に不安になってきた。

「ぁ……、いや、そのっ……。 なんとなく………!」

「ふうん、そう。 ───うん、おれは一人っ子だよ?」

「だ、だよねー! ごめんね、変なこと訊いてー」

わたしは、れおんくんとりあむが兄弟なんじゃないか、と疑ってしまった。
だから、こんなこと訊いちゃったんだよ……。
あぁ、もう。 何なんだ、わたし。

◇   ◇   ◇

おれとれおんが双子だということは、エリカさんしか知らない。

そして、れおんと闘った心音にこんなこと言えなかった。
でもいつか言わなくちゃいけなくて。

心音がいきなり、一人っ子だよね、と訊いた瞬間。
おれの心臓は止まってしまうかと思った……。

◇   ◇   ◇

「その花と、海雪ちゃんに何の関係があるんだよ?」

「ごめん……。 分からない、です」

さっきから、わたしは駄目だ。
いつものわたしじゃなーい!

りあむがわたしの異変に気がついているのが、分かる。

なんか涙出てきたかも……。
何なのよ、本当に。 わたしおかしいよ。

「言いたいこと、あるんだろ」

「ふぇッ?!」

「おれに言えないこと?」

りあむが、わたしを見つめた。
真っ直ぐに、真剣な眼差しがわたしを捉えている。
……ぅ、りあむのこの瞳、苦手なんだよね。

「別に、そうじゃない………けど……!」

「無理しなくていいから、ね?」

「ぅう…………………」

わたしがうめき声を漏らした瞬間だった。
突然、部屋の扉が勢いよく開け放たれた!

バンッ!

そして、気絶したエリカさんが吹っ飛んで来たのだった。