ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 闇夜の惨劇 ( No.20 )
日時: 2010/05/09 18:33
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: zTJIAtHn)
参照: http://書き方かえてみました(´・ω・`)

5話*闇蝶の舞う頃に

+*流羽奈side

憎い……憎い……アイツが、後宮が憎い……
最早、流羽奈のココロは鬼のようだった
此処は裏庭……1人になるには丁度良い場所だ
その中の1本の木に持たれかかり、しゃがみ込んだ

「あら、珍しい。此処には誰も来ぬと思っていたのだが」

不意に声が聴こえ、反射的に上を向く

「……孤寂さん」

「こんにちは。流羽奈さん」

……この人苦手なんだよね、いつも何考えてるか分かんないし
目の前の彼女は顔色1つ変えずに前を見据えている

———やっぱわかんないや

「貴方。怨みを晴らしたい?」

「は?」

不意打ちをくらったかのように、ポカンとした顔の流羽奈
まぁ無理はないだろう
誰しも、突然恨みを晴らしたいか、と言われれば驚くものだ

「……晴らしたいって言ったら?」

眉を顰め、言うとフッと彼女は微笑み、口を開いた

「汝、闇蝶の舞う頃に黒き館へ来い。さすれば汝の持つ邪悪な願いは叶う」

「はい? なんかの呪文?」

「さよなら」

「え、ちょっ!! 待っ……て、居ないし」

見渡しても彼女の姿は既に無かった
ハァッと盛大にため息をつき、がっくりと肩を落とす

「意味わかんないっつーの」

それが分かるのは、闇蝶の舞う頃