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8話*暗闇の惨劇

流羽奈さんは家へ届けたし……
さて……早速仕事に取り掛かろうか
そう思い、ゆっくり立ち上がる

「今宵の惨劇……開幕す」

ニヤリと笑い、フッと闇に消えた


深夜零時。辺りは真っ暗闇で出歩く人間は見当たらない
これはとても都合がいい
ふらりと現れた茜凪は一軒の家の前で立ち止まる

「此処か……」

家の中に入り込み、そのまま真っ直ぐ美由華の部屋へ向かう
もう寝ている頃だろうと思い、そのままドアを開ける

「む〜るーなのばかぁ……」

……寝言で陰口とは。こ奴、阿呆なのでは無いか?
一瞬本気で思う
しかし、本来の目的はこ奴を消す事。直ちに取り掛からねば

「悪気は無い、だが仕事なのだ。すまぬな」

淡々と感情の篭っていない声で侘び、そして小さく呪文を唱える

「紅桜血剣」

紅い血塗れの桜の剣を片手に持ち、美由華の首の上に振り上げる

「さよならだ」

そして、そのまま振り下ろした
鈍い音を立て、紅い鮮血が宙を舞い、茜凪の黒い着物に飛ぶ
紅い斑点が付いた黒い着物は、暗闇に紅い花が咲いているようだった


「今宵の惨劇……終幕」

闇の中、小さく呟いてから
茜凪は消えていった
まだ、やる事が残っている