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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 闇夜の惨劇 ( No.51 )
- 日時: 2010/09/11 20:58
- 名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: hevWx4Os)
9話*その虚ろな瞳に映すのは
———嗚呼
怨みの気配だ……発信源は……多分、梨子さん
……彼女も、我慢の限界だったのだな
それは仕方がないのかな
———怨みの連鎖は、今もなお
屋上へ出ると、梨子さんがいた
彼女は、その虚ろな瞳に何を映すのだろう
「……孤寂さん」
「こんにちは」
フェンスにもたれながら、私は挨拶をする
梨子さんの顔は、酷く疲れた顔
だけど、その怨みは強いもの
「孤寂さん、」
「怨みを晴らしたいか」
梨子さんの言葉を遮る
梨子の顔が忽ち驚きに変わる
それに構わず、私は続けた
「怨みを晴らしたくば……」
そっと、目を閉じる
私の紫色の髪が風に遊ばれる
そしてその先の言葉を、続けた
「汝、闇蝶の舞う頃に黒き館へ来い。さすれば汝の持つ邪悪な願いは叶う」
「え? それって、どういうことっ?」
その言葉を無視して、私はその場を立ち去った
「その虚ろな瞳に映すのは、強い怨みというなの過ち」
裏庭の木に寄りかかっていた妃恋が、そっと呟いた
風が頬を撫でてゆく
「そうだな」
妃恋の言葉に、私はそう返した
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