ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Mission〜ミッション〜(共同制作) ( No.102 )
日時: 2011/05/08 16:55
名前: TKユズ ◆jERMdz7juo (ID: eHv1NYKC)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id

よーし遅れまくりの

第八話!!


「どこから探すの?」

今は放課後。憲君の家に三人で集まっている。
私と同じ名前の竹原珠洲香さんを探すため、三人で相談している。

「そうだな。…とりあえず、珠洲香と関係深い所を回るから…」
「あの公園は?三人でよく遊んでた所だ。しかも消える直前までいた場所。」
憲君と基貴君が口々に言う。

もしも、竹原さんと私が同一人物だったとしたら、何故三人記憶が違うのか。
この二人の顔も見覚えあるし…。
あと、あの記憶の断片は何だろう。

「おーい。珠洲香?」
色々考えてるうちに、ルートが決まったらしい。
二人は部屋を出ようとしている。

「あ、すみません!今行きます。」

家を出て真っ直ぐ進む。この先は公園だ。
珠洲香さんが消えた道へはもう少し。

「珠洲香、本当に同一人物じゃないのか?」
唐突に基貴君が聞いてきた。
「…分かりません。同一人物とも違うともいえません。」
とても曖昧な答え。けれど、納得してくれたみたいだ。

__________

見えた。あの交差点だ。あの時、珠洲香が消えた場所。
交差点は少しも変ってない。苔の線も消えてない。

「ここですか?」
後ろでもう一人の珠洲香が言う。
「そうだ。」
それに基貴が短く答えた。

その時
「・・・・!!!」
「珠洲香!!!??」
何故か、珠洲香が頭を抱えてうずくまっている。
「・・・うぅ・・・。」
「珠洲香?」
大丈夫だったらしい。
少しふらついているが、立ち上がって「大丈夫」と笑ってくれた。
フラッシュバックが見えたらしい。

「それって俺たちのことか?」
フラッシュバックの内容が、珠洲香が消えた時と似すぎている。
ただ、消えたのが男の子二人という点を除けば。

「…おい。一回やってみないか?あの時と同じように。」
基貴の提案。
もし、竹原珠洲香と、石夜珠洲香が同一人物だったら、どうして記憶が違うのか。
理由はまだ分からないが、あの館に行ったとしか思えない。

「そうしよう。もしかしたらまた、『ふらっしゅばっく』が見えるかも。」
「そうだね。あのかけっこでしょ?あと、何で平仮名読み?」
「憲は、昔からだ。」
「・・・・・・。」
あとから知ったが、この時俺は顔が真っ赤だったらしい。

__________________

そんな感じで、かけっこをする事になった。
この苔から、向こうの苔の線までを赤信号を合図に走り抜ける。
「位置について〜」
信号が黄になる。
「よーい」
そして赤。
「どん!!!」
一斉に走る。あの時と一緒。あの二人はやっぱり速い。
その時。
赤なのに何故?車が猛スピードで走ってきた。
やっぱり二人は気づかない。
「憲君!!!基貴君!!!」
私は叫ぶ。あの時と同じようにはしたくなかった。
二人が気づいた頃には車はぶつかる直前まで迫ってきた。
私は眼を閉じる。
駄目だ。もう無理だ。まただ。また死なせてしまった。私のせいだ。もっと気づくのが早かったら。

車が走り去る。
私は眼を恐る恐る開ける。そこにはまた何も残ってないのか。

「…え?」
そこには二人が立っていた。
どうして?車は確かに通り過ぎた。なのに何故?
何で無傷で立っていられるの?

何故?




            八話おしまい♪