ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Mission〜ミッション〜(共同制作) ( No.16 )
- 日時: 2010/06/13 15:46
- 名前: きのこメイド (ID: 50Jb6IUR)
おくれました!!
第一話
「少年、謎の失踪事件。友人記憶なくす。」
ある少女の話。
あの日私たち三人は公園で遊んだ後、三人仲良くいつもの家路をたどっていた。
なんにも無かったんだ。
・・・・・・・・
二人が死ぬまでは。
「おーい!競争しようぜ!この線からスタート!あっちのあの線でゴール!青信号になったらスタート!」
憲が一言、大声で私たち二人を呼んだ。
この遊びは帰りしな、三人でいつもやっている遊び。歩道の溝に苔が生えて線状になったところがスタート。向こうの道の同じ苔の線がゴール。青信号がスタートの合図。
信号が赤から青に変わる。その刹那、私たち三人の喉がなる。軸足に力をこめる。車が止まり、向こう側から人が歩いてくるのをすばやく察知し、走り出す。
その時に不幸は起こった。
止まっているはずの車がいきなり走り出す。
気づいた私は二人を止める。でも二人は競争に夢中で気づいていない——————————。
私の背中に寒気が走る。
「憲!基貴!危ない!!!!戻って!!!!!」
まだ気づかない。
「憲!!!!!基貴!!!!!!——————————。」
ドスッと鈍い音が鳴る。
私は思い切りおなかから叫んだ。どうして赤信号なのに車が来るの?あまりにショックで私は腰が抜けて黒く、重くたたずむアスファルトにひざを打つ。
涙腺から有り得ないほどの辛い液体がこぼれ出る。
いやだいやだいやだ。
「いやだああああああああああ!!!!!」
地面が揺れたような気がするほど私はのどを開いた。
恐る恐る道路を見る。・・・・・!
二人の体が無い。
私は目を疑った。何度も何度もまぶたをこすった。なんだか背骨が一本一本細かく震えるような気持ち悪い感触をおぼえた。
どこにいったの?憲?基貴?
目の前がかすむ。
憲・・・・基貴・・・
体中の力が抜ける。
け・・ん・・もと・・・き・・・・
そのまま目の前が真っ暗になった。
次に目が覚めたところは見知らぬ館。
どう家に帰ったかは分からない。勝手に足が進んだ。
通ってきた道すら覚えてない。
でも館の外見だけ覚えてる。
そして私はそこで大事な記憶を失った。
一話、おわりです