ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

デスタイム 〜二十四時間以内〜 ( No.10 )
日時: 2010/04/30 22:17
名前: カスタードクリーム (ID: JgiXnGnD)

本当に、此処から出られるのか?
少しずつ俺達は、諦め始めていた。
さっき聞こえた声は、いつの間にか消えた。
一体、どうやって移動しているんだ……。
「先輩、その傷大丈夫ですか?」
明良が、俺の手を見て言った。
さっきまで、混乱状態だったのにな……。
追いかけられた時は、明良が居なかったら、殺されてた。
麗子も、ハンカチで俺の手を、縛って止血しようと頑張っている。
俺は、言っていなかったが、逃げている途中に足を負傷して、今ではただの足手まといだ。
此処に来て、目の前で人が殺され……俺達自体、いつ殺されるのか分からない状態だ。
「よしっ……」
俺は、ある決断をした。
「麗子」
「何?」
「お前、成績どのくらい?」
「急に何よ?……自慢じゃないけど、一位よ。」
「そっか……頭、良いんだな。」
麗子は、訳が分からないと言う風に、首を傾げた。
「明良」
「何?」
「お前、まだ元気か?」
「うん……先輩、如何した?」
二人とも、俺を見る。
俺は、薄く笑った。










「俺を、殺してくれ。」


二人は、信じられないと言う風に、俺を見た。
俺は、もぅ走れない。
走れても、アイツの様な敵にからは、逃げ切れないだろう。
だったら、明良が……麗子が……俺を助け様と思っているなら、今此処で殺されたい。
頭のいい麗子なら、一つのヒントで、鍵の所まで行けるだろう。
明良も、元気だし……敵が来たら、逃げ切って鍵まで行けばいい。
「そんなの……嫌よ。」
「何で!?先輩、そんな事言わないで下さいよ!!」
二人は、拒んだ。
「良いんだ。もぅ、俺……無理だから。」
確かに、体自体は元気だ。
だけどもぅいい。
鍵まで行くには、ヒントが必要だ。
敵に殺されるよりは、仲間に殺されるほうが良い。
その方が、楽だ。








残り時間___21時間___