ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

デスタイム 〜二十四時間以内〜 ( No.4 )
日時: 2010/04/26 18:06
名前: カスタードクリーム (ID: JgiXnGnD)

俺は、まず部屋から出た。
扉を開けると、其処は薄暗かった。
窓や、出られそうな所は全部、板で塞がれていたりしていた。
近くに、懐中電灯が置いてある。
「・・・使えって事か?」
俺は取りあえず、懐中電灯を取った。
「新、先輩?」
階段の下の方から、聞き覚えのある声が聞こえた。
「明良・・・。」
いつもは、しない様な不安そうな顔をしていた。
「まさか、先輩も居たなんて。安心しました。」
と言いながらも、明良は肩が震えていた。
俺は、兎に角明良の傍に行った。
階段を下りると、明良が俺を鋭い目つきで見てきた。
「?・・・何だよ?」
「先輩、見てないんですか?」
「はぁ?何を。ってゆうか、こんな遊びには付き合ってられねぇ。帰ろうぜ。」
明良に触れようとした手は、明良によって強く掃われた。
「明良・・・?」
「先輩、これは遊びなんかじゃ無い。」
明良は、狂ったように震えだした。
「何を見たんだよ。」
「せっ、先輩はまだ気が付いてなかったから・・・だから見てないんですよ、ね。僕等は・・・僕は・・・見たんだ。」
「何を。」
「目の前で・・・目の前で、人が殺されるのを。」
半信半疑だったが、明良が声を上げて泣き出すと、俺は信じずには居られなかった。
「何かの、間違いとか。」
「違う!!確認だってした・・・」
思い出したくも無いような事を、明良は思い出してまた一層震えだした。

『どぉも。』

最初に聞こえた声が、また何処からとも無く聞こえた。
明良は、叫びだし、大声で泣いた。

『新君は、知らないんだったよね。』

俺は、返事をせずに聞いていた。
しゃがみ込んだ明良の背中を撫で、少しでも落ち着かせようとした。

『このゲームを信じるには、これが必要か・・・』

カタカタと音がして、天井から鎖に繋がれた人が、降りてきた。

『ほら、新君のために、この人は死ぬんだよ。』

繋がれている人は、急に大声で助けを求めた。
しかし、助ける暇も無い内に、天井からその人目掛けて大きな硝子が落ちてきた。



ザッ____ビチャッ_____



『あははははははあはははははははは』

一瞬にして、床は血だらけになった。
明良が叫ぶと、繋がれていた死体は、俺達の目の前に落ちてきた。
生気が無く、今も尚血が出ている。

「なっ、・・・」

口を開いた瞬間、俺は吐き気に襲われた。
床に嘔吐した俺は、息をするのも嫌だった。
辺りは、血の匂いが充満していて、怖かった。

『ふぅ・・・じゃ。信じたよね?』

声は、笑い終ると一息ついて、落ち着いて言った。
俺は、目の前の状況を信じたくなかった。







これが、ゲーム・・・?