ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode36 フレア再び ( No.128 )
- 日時: 2010/06/09 14:00
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
ドズゥゥ……ゥゥン……
砦の入り口付近で大きな爆発音が鳴り響く。
もちろん、砦の今居る棟まできちんと聞こえた。
その爆音が止むと同時に、棟の扉を誰かがノックしている。
「誰だ?我々以外入ってはいかんはずじゃ、帰りなさい」
爺さんが言う言葉が聞こえているはずだが、ノックの音は止まない。
「お爺さん、私がどうにかする」
その言葉と同時に、
バゴン!
っという音がして扉が吹き飛ばされた。
「やっほ、アリス。生きてるじゃん」
「……フレアか、何か用?」
「用も何も契約が急に消えたから心配になって来たんだよ」
フレアはにっこりと笑いながらアリスに近づいてくる。
しかし、その引きつった笑が、アリスに敵だと認識させる!
「吹き飛べ!バン・バーン!!」
ドゴオン!!!
凄まじい爆案と共に、棟から煙が昇る!
「凄まじい威力ね、危ない危ない」
……無傷、マジか!
超高出力だったよ!?
「私はフレアよ?炎は心地良いシャワー見たいなものよ」
「シャワーって…キツイね!次はコレ!」
「それは禁じてるでしょ?考えが合わなくても師匠の言う事は聞きなさい」
「ム〜!じゃあコレ!」
キィィィィイイイイ……ン……
激しい金属音の様な音の直後、
ドズゥゥ……ゥゥ……ン
棟が激しい爆発を起し、一気に崩れた!
前、湖流の小屋で使った、
エナジーバースト!
「うへぇ〜……服が血でグシャグシャ…。気分最悪」
「大丈夫よ、貴方はもう死ぬから!」
アリスが声のみを前から、実体を後ろから忍ばせ、
実体が一気に剣を振り下ろす!
「危ないなぁ」
その言葉と同時にフレアは見えていないはずの攻撃を素手でとめて見せた。
何故!? 死角から放った攻撃が…?
「私は太陽神って奴よ?私の目はコレじゃないの。天照の眼、つまり太陽よ」
太陽が眼って…!
マジか!打つ手が無い!?
いや、打つ手はある!
天候操作位だが、私には出来ない類だ、
何とも困った。
「ししょー、天候操作で曇りにでもしてもらえます?」
「ヤダ、私じゃなくてアリスの戦闘だからサタンちゃんみたいに水を差すような真似はしないよ〜」
使えない師匠め!
今はどうするか考えろ!
太陽からここが一時的に見えなくすれば良いんだ!
そのためには…どうする?
「考えがあるの?良いね!足掻いてよ!」
……うっわ、ドS〜…。
「考え?どうかな、私って馬鹿だから。バン・バーン!」
ドゴォォォ…ン…
爆炎が再び辺りを包む!
そしてこの目隠しが聞くのは精々10秒、
それだけあれば倒すのにお釣りが来る!
「dandelion!」
『GOAAAAA !!』
ライオンをフレアの正面から突っ込ませる!
「ライオン?こんなひ弱な生き物で何が…!?」
そう、ひ弱なライオンをこの場で無駄な魔力を支払い呼び出すメリットなど無い!
これは囮の幻影!
私はこの場で初めて私自身の能力を発動する!
「……不思議の国の万華鏡」
発動して直ぐに爆炎の殆どが消え、視界が急によくなった。
私から見て、フレアは1人。
何が起こっている?
フレアの向こうに私…?
その少し横にも私、私、私…。
恐らくフレアが真ん中で、周囲の私は私自身。
つまり、フレアは万華鏡の真ん中で、
私はその周りにいるだけ。
フレアから見たら無数の私が剣で狙いを定めているようにしか見えないってワケか。
「……コレで終わりみたいね」