ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode38 不死鳥の殺し方 ( No.131 )
- 日時: 2010/06/10 21:38
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
「で、フレアはどうする?生かしておきたいなら生かしておいて良いけど、殺す?」
「…殺す?この私をか?ッハ!片腹痛いね!私は不死鳥!死なないよ!アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ——…」
「黙れ」
悲痛な笑い声を上げるフレアに、師匠が命令する。
私に命令したわけじゃないのに、何て威圧感!
地面に足が縫い付けられたような感覚に見舞われる。
「ふーん、言霊か。相変わらず凄まじいね」
「あれ?ブラッディ、何処から——…」
「周りをよく見ろ、空間魔法が壊れたんだよ」
空間魔法が壊れた?
馬鹿な、私が消そうとしなければ消えないはずなのに…?
誰が消した?
「ふ…フフン、不思議そうな顔をしてるね、アリス。空間魔法は後から2度掛けると前の空間魔法によって存在していた空間は消えるんだよ」
「あっそ、で?死ぬか牢獄か…、どっちが良い?」
「……ハハハ、同じ事言われた。私は…この場からおいとました方が良いな」
「え?」
ドシュゥゥゥゥ……
フレアがまるで蒸発したかのようにその場から消えた…?
どうやって?
「アリス、そんな顔で私を見ないでよ。師匠だって知らない事はいっぱい有るものよ」
「そう、で?不死鳥の殺し方って?」
「もうその話は終わったでしょ?……そんな眼で見ないでよ」
アリスがじっとアリソンの顔を凝視する。
昔から、師匠は顔を凝視されるのに弱いのは実証済み。
「……仕方ない、言うよ。言うからその顔やめて!……不死鳥は、多数の命の集合体なんだよ。だから、1回殺して、その直後に魂がほんの一瞬だけ魂から命が剥がれて無防備な状態になるんだ。そこを攻撃しちゃえば死んじゃうんだ。でも、本当に一瞬だけだから、私にも殺すのは難しいな」
そんな弱点があったか、でも、もしも師匠を相手取ったとしたら、
殺す前にこっちが死ぬな。
「へー、話戻すけど、政府を制圧して大人しくするんでしょ?予定の打ち合わせとかはしなくていいの?」