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Episode39  亜麻色の海賊 ( No.133 )
日時: 2010/06/11 18:12
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)

ドズンッ!

今のは、警備員に闇討ちを掛けた音。

……ズズ…

今の音は、闇討ちにあった警備員を、
目のつかない場所へ運ぶ音。

「まさか影で人数を減らせって言われるとは思わなかったよ…」

「仕方ありませんよ、貴方の師匠の命令なのでしょう?」

「そうだけどさ、何であの馬鹿猫が居ないのよ!」

「仕方ありませんよ、元々は…人がまた来ましたね」

クィークが『人が』と言い始めたときには2人とも飛び上がり、『来ましたね』と言い終わったときには既に2人とも天井に着地し、
ここを通るであろう敵を狩る準備は万端、何時でもきやがれ!
と言った状態だった。

「どうだ、調子は?」

「気分最悪、先ず首輪を外して貰えないかな?」

「ダメだよ、君の首輪を外したら君は僕を殺しかねない」

「大丈夫よ、その前に確実な死が貴方を襲うから」

「こちらはどうします?船長」

「ああ、殺し——…何でここに居るの?」

「何でここにって…」

驚いた、コイツは墓流メノウ!
ウェダの助手であり戦闘に置いては私よりも早いスピードで成長を続ける、
唯一無二の存在とでも言うべき天才君だ。

「まあ、釣れぬ事を言うな。私も手伝ってやろう」

死体から首輪の鍵を漁り、首輪を外したとたん、
周囲に嫌な気配が立ち込めた。
……コイツ!本物の天才だ!
常に微小ではあるが、魔力の放出量が増え続けている!

「長い年月の間、封印され行き場を失い、表には出てこれず蓄積され続けたんだ。一気に能力が上がるのは当たり前だよ」

「へ…へえ〜」

「君は確か、前見たな。政府でも対策が取られていると言う亜麻色の海賊ですね?」

完全に私のことを忘れてるな、失礼な奴!