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Episode40  バイオウェポン ( No.136 )
日時: 2010/06/12 11:12
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)

「あのさ、前にも船で会わなかった?」

「船…船で?どうだっただろうな、今一覚えが無い」

「……じゃあいいよ、忘れっぱなしで」

「来ましたよ!」

再び誰かが通りかかる。
メノウの時と同じように、天井へ着地し、
敵を狩る準備を瞬時に整えるが、メノウはその場に立ったままだ。

「見つかるよ?」

「俺、天井歩行術使えないからそのまま一瞬で首ねじるわ」

相変わらず無茶苦茶な奴だ。
しかし、こいつならそのくらいさらっとやってのけれるだけの実力がある、
心配は無用だろう。

「で?この後の予定は?」

どうやら、声から察するに2人らしい、
1人で2人を一瞬の内に殺すのは面倒だ、
私も協力しよう。

「メノウ!私は助手の方を殺る」

「いいですよ」

そんなことなど知らぬ2人組が通りかかる。

「この後の予定はデスね、2時からR-5000の解剖実験、その後——…」

いきなり助手が喋らなくなったのを変に思ったのか、
周囲を見回し、助手の姿を探す。
しかし、その助手などもう居ない。

「今日のご予定ですね?所長?」

「ああ、そうだが」

「今日の予定は、これより三途の川近辺での散歩です」

メノウがその言葉の直後、
そいつの首を素手で刈り取ってしまった。
しかし、その後の警戒を緩めない。

「何警戒してるの?もうこいつ死んで——…」

「死んでますよ。俺が恐れているのはあの…」

メノウが一点を指差す。
さっきこの2人がこっちへ向かってきた時に使っていた通路の闇の中だ。
その闇がこちらへと動く。

「サイボーグ、R-5000ですよ」

『侵入者を発見。モニター室への連絡及び、この場での捕獲を開始します』

うっわ、めんどくさそうなのが出てきたねぇ。