ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第9話  娯楽 ( No.14 )
日時: 2010/05/01 17:03
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

小屋に入るとすぐに敵と遭遇したが、
そんなことはお構い無しにキキョウが手早くナイフで心臓を一突きし、
ごく当たり前のように刺殺して薬棚を漁りだす。
しばらくして望みのものが見つかったらしく、
その薬を白刃の穴の開いた手に注射して直ぐに
慣れた手つきで裁縫セットで傷を縫い合わせた。
さっき見つけた物は麻酔。
注射に使ったのは縫い針。
即席で何でもこなしてしまうキキョウは、
ある意味恐怖だ。
包帯を巻き終えると直ぐにキキョウは俺を放置して、
再び何かを探し出す。
見つけた物は3世紀前のテレビ。
無線で近くの物から電波を引き、
画面に映す。
テレビの原理は5世紀前から変わっていない、
型が新しいか、古いかの違い。

「お願い、点いてよ〜・・・」

キキョウがテレビの配線をいじり、
見事に電源を点けた。
ニュース番組らしい、
今やっている話題は、
海賊の賞金の上乗せ、
大手兵器開発会社の踏み込み検査の結果、
サバイバルワンの生き残り情報、
サバイバルワンのテレビ中継に関する批判者の暗殺事件。

「政府のクズ共…娯楽番組にコレを放送させてるって!?」

キキョウが吠える。
しかし、吠えてもしょうがない、
今はただ生き残るのが最優先だ。
その直後、小屋の扉が開き、
誰かが入って来た。

「薬は・・・有るか?」