ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode45 憤怒 ( No.146 )
- 日時: 2010/06/14 17:40
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
「何故殺そうとしたか?簡単なこと、我の反勢力を作りかねんかったのでな」
「……そう。それだけの理由で、私と師匠を戦わせた…、とでも言ったら、今すぐにでもその首捻り切るわよ?」
「おぉ怖い、我は神だ。神に従うが世の理、我の持ちえぬ魔の力を持ちえた貴様等は我が脅威であった。しかし、最も厄介な貴様の師は死に、弱々しい貴様が生き残った。全ては我の手の上のことに過ぎぬ」
「貴様ァッ!」
300mは有ろうかという間合いをも1秒もかけず、ほぼ一瞬で詰め、神に対し剣を振るう。
瞬時に体を傾け剣を交わし、バランスを崩した神に死角から、
一気に短剣を突き立てる!
しかし、それすらも読んでいたかのように交わすと、
瞬時にアリスの背後に回りこんだ!
「神は何故神と呼ばれるのか知っているか?」
そんな事知った事じゃない、
今はただこの"人間"を殺せばいい!
ただ、殺した所で元に戻るわけではない。
その怒りに任せ、
重力を無視したかのような動きで神の攻撃に備える。
神は不敵にも微笑むと、地面から無数の棘を生やし、
アリスを瞬時に串刺しにして見せた。
「神の能力、クリエイト。私は無から物を作り上げられる」
「そんな事関係ない、私が君を殺せば何をして来ようが結果は変わらない!」
「そうか、その間違った考えを腹に抱えながら逝くがいい」
その会話が終わると同時に、天地からアリス目掛け無数の棘が迫り来る!
「今度こそ、死ぬのかな?……死んだら次の船長は誰がやるんだろう?」
そんな、今考えても仕方が無い、直ぐに意思を伝える前に死んでしまうのだから。
でも、今死んだら、自分の思うようには行かない、
今はまだ……
「まだ私にはやり残した事が沢山ありすぎる!」
迫り来る棘に向け、とっさに膨大な量の魔力を流し込む!
そして、一気に神目掛けて魔力をコントロールし、打ち付ける!
すると、飛んできた棘は空中で霧散し、
その直後、神の頭上から無数の棘が降り注ぐ!
「……何事だ!? 貴様!何をした!」
何をした…?
今は必死で分からなかったけれど、今のは一体何だったんだ?
確か、魔力をとっさに棘に流して、
その後にこの馬鹿に飛ばしたんだっけ?
「何をしたって…う〜ん、分解して、そのままアンタに飛ばして棘を構築したってところかな?ってことは、私の能力もハッキリしたよ。私の能力は分解からの再生、破壊からの創造ってことか」
「成る程な、我の能力が効かぬはずだ!しかし、今度はそうは行くまい!目覚めたばかりの能力、生まれたばかりの赤子と同じで直ぐに使える物か!」
神は終に接近戦へと持ち込んだ。
接近戦は私の領域、神にすら遅れは取らない!
その上、確かに奴の言う通り、まだ能力は上手く使えないが、
私には地形を変化させると言う選択肢も手に入った!
「悪いけど、もう私の勝ちが決定したような物よ?」
その言葉通り、一瞬で蹴りがついた。
アリスが……神に敗れ、そのまま死体を焼き尽くされると言う、
そんな結果に……
「まだ……終ってなる物か!私には…遣り残したことが多すぎるのだから!」