ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Episode55  さあ、戦争だ!   ( No.176 )
日時: 2010/06/22 18:24
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)

ドォォォオォオ……ォォン……ン

港から町中心に存在する教会まで約300m。
その距離をあろうことか船で飛び越え、
教会の扉をふっ飛ばし、祭壇の直前で器用にも船は停止した。
今だからこそ思うが、よく木製の船が落下の衝撃に耐え切れたものだ。
出来る事なら船を褒めてやりたいが、今はそんな時間は無い!

「ゾディアック!鍵を!」

「そう急かすな、祭壇の上の御神体をよこせ。高さは手のひらサイズだが、裏に扉があり…」

ガチャン!

「鍵を開くと元の大きさに戻るんだ。ここからは急げ!棟の外壁を上っていけ!内部の階段は別の棟の頂上へと通じている!」

言われた通り、
棟の外をデビルウィングで一気に急上昇する!
中の階段は10段とばしで上っても30分は掛る、
これが恐らく賢い方法だろう。
しかし、神も神、上から無数の龍が4人の行く手を阻む!

「馬鹿猫ッ!」

肩に乗っていたブラッディを龍目掛けて投げつける!
クィークはコートの状態で役に立たないし、
ゾディアックに関しては目の前の邪魔なモノしか壊さない。

「投げるなよッたく。……Dark Hand!」

ダークハンドなんて物が使える場所ではないが、
さすがは馬鹿猫、棟の外壁から闇の手を生やし、
飛んでくる龍を次々と引きずり込んでいく!

「俺は負の感情の塊みたいな存在だからな、何時、何処ででもこの類の魔法は使えるんだよ!」

…と言っているのだが、猫の姿のため、周りには「シャァァァ!」としか聞こえない。
そんなことはおいて置こう、雲に隠れた頂上が…見えてきた!
深い雲を突き破り頂上へ降り立つ!

「おや、お客さんですか。いらっしゃい」

「君、私を殺す気らしいね」

「知っているのですか?困りましたね、…仕方ありません、今ここでそれ実行しましょう」

「望む所!」

「さあ、戦争だァ!俺に殺させろォ!」

……大人しくしててよ。