ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode58 運命 ( No.187 )
- 日時: 2010/06/26 16:01
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=FcnmYa8-xK4
「人の子が我の定めた運命に抗うとでも言うか?運命とは惰弱な生き物が壊す事のできるような壁ではないぞ?」
言葉を続けながらアリスを吹き飛ばす。
神は、重力をも操るらしい、
それに、前の戦闘に比べ明らかに強くなっている!
「あぁ、抗うよ。私は人ではないから、私とて…生きる権利はあるから、生き物として、生きる事は許されたからこそ、ここに居るんだよ。それなのに何だ?君の反り返った態度は、生き物を殺しても自分の所有物を壊したと言うような言い草は、生き物ってのはなァ、貴様とは別の意思ある個体の事を指すんだッ!高慢な貴様が壊していいものではないんだよォッ!」
「ふん、口では如何にでも言えるものだ。初めは我から創られたのだ、我の中に戻った。それだけだ」
「……最低」
アリスは神へと剣を片手に突っ込んだ。
このままでは前の二の舞、そんなことは目に見えている!
しかし、そんな事どうでもいい!
生者とは、生き物だ、神とは、製作者。
製作者である親が子を殺しているようなもの、
その様な事は許されない!
ただ裁くのみ!
「ジンディシト法廷、神罪・破滅のレクイエム!」
破滅に対する鎮魂歌、つまりはこの周囲は破滅が終わり、
創造が始まっている!
創造物の存在する空間に更なる空間を創り出した事により、
神と同格化したといって良い。
神に対し"神の力"は効かないであろう、
ヴァムを殺したあの脅威は取り除いた!
次だ!
アリスは神に突っ込み、すれ違いざまに一度触れた。
これが能力の発動条件!
「何をした?大したダメージは無……クソッ、一杯喰ったな」
「ええ、不思議の国の…大法廷。私の力を全て使った最高の物よ。貴様の魔力、生命力でも脱出は不可能!さあ、裁くが良い、より罪深き罪人を!」
案の定、神へと裁きの雷が直撃した。
この能力は、殺した人間の数が多ければ多いほど威力が上がり、
より罪深い者が裁きの雷を喰らう!
雷によって周囲を煙が包む。
「さあ、死んだかな?」
「死にはせん、神には如何なる裁きも通用しない!」
突如背後から出現した神に、アリスは心臓を突き刺された。
心臓を突き刺した剣は、あの、不死鳥殺しの月宝刃だった。
「己の運命を受け入れよ、さればこれほどまでに苦しまずに済んだものを」