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Episode60  魔を司る者 ( No.193 )
日時: 2010/07/22 09:51
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: aeLeTDX9)

「さあて、どう料理してくれようか……」

「フム、身の程知らずめが。我に叶うとでも思うたか?」

静かに佇み、互いに警戒し、わずかづつ距離を縮めていく。
そして、先に動いたのは——…神!
20m近い間合いを瞬時に詰めると、ディロームを狙い剣を振り下ろす!
それを刹那の差でディロームのカウンターが剣を殴り払う!
剣が殴り払われバランスを崩した神へ、
ディロームの強烈なアッパーが神の顔面へ吸い込まれるように直撃!
更によろけた所を上から力任せに殴りつける!

「グフゥッ!貴様……!死すが良い!」

神は距離をとるとディローム目掛けて馬鹿デカイ気弾を放つ!

「へえ、君は魔法を使えないのか。100%神通力みたいだね。魔法は…その神通力に勝る!」

気弾がディロームに迫るが、あせる様子も無く手をかざし停止させてしまった。

「俺はさ、この星の上のものならば何でも動かせるし、如何なる現象でも発生させられるんだよ。例えば今のは、気体の空気を固体に変換して気弾を停止させたりも、何だってできる」

「喋るのが…好きなのか?ならば永遠に喋り続けるがよい!ただし…屍となって!」

余裕をこいて喋っていたディロームの直ぐ前に、
既に神が来ている!
この距離では、ディロームのカウンターは間に合わない!

「クッソ、余裕こきすぎた。本気で消す」

ディロームはカウンターを掛けず、神に背を向け潔く斬撃の嵐を受け付ける!
もう何度斬られているのだろうか?
何百、何千と斬られているのに、死ぬ気配は愚か、
跪き倒れる気配すらしない!

「何故だ!何故倒れぬ!」

「よく見ろよ、良いだろ?このライト&ダークウィング。一部の有翼人種にしかない、時を飛ぶ翼だ。魔法を使えない君には最強の盾とでも言うべき代物かな?」

「腹が…がら空きだァ!」

またもや余裕をこいて喋っている隙にディロームは神の剣により斬られ、
先ほどとは打って変わっていとも簡単に跪いた。

「死すが良い!」

「させない!」

隙を突き振り下ろす剣をアリスの投げた短剣が弾き飛ばす!
しかし、弾き飛ばされた剣とは別に袖から巨大な剣を取り出すと、ディローム目掛けて振り下ろした。
これで、またアリス1人。

「さあ、貴様で最後。トドメを刺すとしよう。魔を司る者に生きていられては厄介だ、今の内に殲滅する」

魔を司る者?

「なんだ、そう言う事だったのか、師匠」