ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode62 お終い ( No.196 )
- 日時: 2010/06/30 15:30
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=FcnmYa8-xK4
神とは…己が全てを創りあげたと語る者である。
神とは…存在しない存在である。
神とは…死を受け入れぬ愚か者である。
神とは…己のため、無数の赤子の命を盾にした罪深き罪人である。
———————白き闇の聖書・第666章より———————
アリスの死体に剣を返し、空間に穴を開け神界へと
帰ろうとした神の肩を…何者かが掴む。
肩をつかんだ者は、何者かも分かっている。
肩をつかんだ者が、死んだ事も分かっている。
…………何故?
「…………何故再び立ち上がる?殺したはずであろう?」
「お生憎、君を殺すまでは何度でも!立ち上がって見せるよ!」
問答無用で神を斬りつける!
向かってきた所に、何度も…何度も!
死にかけてから回復すると、肉体が一気に強化される。
そう、超回復だ。
不死鳥は、死ぬたびに飛躍的な回復を見せる。
その力は神をも凌駕するほどに強くなる!
その上、完全に1度死んだため、師匠のつけたリミッターである指輪の魔力制御は完全にオフ!
ここまでやってすら勝つ!凄まじい執念が神をも圧倒する!
「貴様ッ!何故これほどの力を!何故この力を !? 」
「……さぁ?何のことやら、見当がつかないね!」
距離をとった神に対し、今度はアリスが前に出る!
一瞬で、神の真正面へと突っ込むと、何度も斬る!
殺す!殺す!殺す!
「殺す!殺す!殺す!死ねぇぇぇッ!」
「我は神、死なぬわ!」
「……なら何故疲れる?何故私を殺そうとする?死なぬなら、私を殺す必要も無いな !? 疲れることも無いな !? 」
アリスの容赦ない斬撃が神の心臓を捕らえ、
神の命をも捕らえた。
神は……死んだ。
いや、肉体を無くしただけだ、魂をも壊さねば!
「魔法道具、マイナスナンバー……ソウルクラッシャー……」
周囲の魂をことごとく破壊する最強最悪の魔法道具だ。
神の力を持った命を失った神は今、記憶を持って転生できる人間でしかない!
「……発動」
………………………………………………………………………………全ての魂が、音も無く死んだ
やっと、終ったんだ。
皆死んだ、生きる者は生き、
死んだ物は魂となっても開放されぬ苦痛を伴い永遠に殺され続ける。
不死鳥の棟の最上階で、
一つの壊れかけた魂となった何者かが呟いた。
「…………敵は…打ったよ?…これで良いか……な………?」
————————————————Story・END————————————————