ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第14話   サクラ ( No.27 )
日時: 2010/05/05 12:25
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

「待って、欲しい物がまだあった」

学校の前でシアが止まる。
学校には武器になるような物は多分無い、
何が目的で…?

「良いけど…なんでだ?」
「秘密」

構内に入ると直ぐに、
足元で縄跳びの縄に引っかかったような違和感があた。
その直後、ベタな事に、
棘付きの鉄球が2人目掛けて飛んでくる!?
それを伏せて避けるが、真上に来たとたん、
ワイヤーがはずれ落ちてきた。

「ヤベ!」

その言葉とは裏腹に、
とてもスリリングで楽しい。
それに、人間の限界以上の力が命の危機があれば発動する。
その力は強大で、鉄球の棘の隙間を器用に縫って打撃を与えただけで、
鉄球は何処かへ飛んでいく。

「あった!ラッキー!」

シアが何かを見つけたらしい、
バイオリンだ。
直ぐに持ち上げて弾き始めると、
不思議な事に、耳元と遥か遠くから音が聞こえているような感覚に見舞われた。

「何処だ!?」

校内に敵の声が響く。
それを確認すると、

「第2番…サクラ、お聴きください」

再びバイオリンを弾き始める。
その直後、ものすごい勢いで校舎がひび割れ、崩壊した。

「中々良い楽器ね、気に入った」
「お前は…誰だ?キキョウでも、シアですらないだろ?」
「私は…サクラ」