ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第15話  武器弾薬 ( No.28 )
日時: 2010/05/06 16:28
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

ドォン!

大砲の音が養成学校の敷地から聞こえてきた。
戦闘中らしく、電磁砲の弾が近くの建物を粉砕した。

「危険だな、引き返すか?」
「耳ふさいでてよ、またやるから」

すぐさまバイオリンの演奏モードに入る。
サクラのバイオリンの演奏は、下手ではない
実際は恐ろしく上手い。
耳をふさいでても、四方八方から気配が増えるかのような錯覚に見舞われる。
演奏の始めは穏やかな感じに思えたが、
ドンドンおぞましい演奏へと変わり、
演奏が終わって手を耳から離すと、
大砲の音が止み、敵は放心状態だ。

「さあ、狩るよ」

サクラがキキョウと入れ替わると、
放心状態の意識の定かではない奴等を、
次々とナイフで串刺しにしていく。
途中、意識のかなり薄れたヤツから情報を引き出す。

「ねえ、弾薬庫は何処?」
「……」
「ダメか、サクラに任せる」

そう言うと再び、
口調が変わる。

「弾薬庫は何処なの?口を開きなさい」

不思議な事に声が二重三重に重なって聞こえる。
催眠術の類だろうか?

「運動場…側の体育倉庫」
「そう、じゃあ、死になさい」

その言葉と同時にそいつは魂を抜かれたかのように眠りに落ちた。