ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第2話 隠れていた顔 ( No.4 )
日時: 2010/04/29 16:04
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
参照:

手際よく500S&Wマグナムに12,7mm弾が装填され、
 
ガチン!

マグナムの撃鉄が音を立てて引かれた。
殺る準備は完了だ。

『では、1時間経った、今からサバイバルワンを開始する。…注意事項が一つ、弾は1人50発、銃にあわせて配られているが、無くなった場合は殺した相手から奪え。無くなってなくても奪って構わないが、銃弾は重い。考えて行動しろ』
「ったく、なんてやつらだ」
「開始〜!楽しみ!銃なんか使ったこと無いんだよね」
「お前は…その細い腕じゃあマグナムなんて無理だと思うぞ」

喋っていたそのときだった。
ターン!
銃声が周囲に響き、何かが俺を引っ張ったと同時に
俺の頬をライフル弾が掠めた。

「あっブねえ!」

傷の線からして近くのビルの10階辺りで狙っているハズだ。
この場は物陰に隠れるしかない!
ライフル弾は次の発射に少しかかる、
0,5秒程ではあるが、
物陰に隠れる時間は十分にある!

「シア!こっちだ!」
「え!?」

有無を言わさずビルの物陰に引きずり込む。
その直後、再び
ターン!
と音がしてビルの壁を打ち抜き、
すぐ後ろのガラスが割れた。
弾は30口径弾!
つまり、7,62mm弾
おそらく相手の武器は300ウィンマグだろう。
政府の陸軍採用の銃だ。

「みーつけた、死ねよ!」

別の奴だ!

「マズイ!」

万事休すか!
そんな考えの直後、無慈悲にも俺の前で
ドン!
という音が辺りに発せられた。
撃たれた?
しかし、痛くない。

「あ゛ぁあぁあ!このアマ!何の躊躇いも無く撃ちやがった!」

見事に右肩を撃ち抜いていた。
撃ったのは・・・

「シア?」
「カス、死んじゃって良いよ、ばいば〜い」

その言葉の直後、そいつは銃声とともに倒れた。

「お前…一般人じゃないな」