ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Episode 2  大津波 ( No.50 )
日時: 2010/05/21 15:27
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

「フンフンフン♪」

鼻歌を歌いながら彼女は船内の引き出しを探る。
船内は…退くほど汚い。
表現方法は様々だが、
この場合は汚い以外に表現方法が無い。
ソレほどまでに散らかして、
そこらへんをネズミが這い回っている。

「あー、あったあった」

引き出しの奥から青龍の形をしたペンダントを取り出すと、
甲板へと出て発動した。

「大津波!」

ドォオォオォオォン!
凄まじい轟音が周囲の波を飲み込み、
船が凄まじい勢いで急発進する。
目指すは、…何処かな?

「まだ上手くコントロールが出来ないのに何無理してんだ?」

船内から出てきた黒猫が聞く。
彼はストレイキャットのブラッディ
今はこの秋風海賊船に乗っている。
彼は魔法道具のコントロールが上手い。

「何処行くんだ?」
「……」

黙り込む。
もちろん考えていないからだ。

「…行く所くらい考えてから船は動かすモンだぞ。…そうだな、マビにでもいくか?」

マビ?

「何処?そこ」
「マタタビの生産地」
「却下。アーレインでどう?猫飯くらいならおごるけど?」
「じゃあ、決定な」