ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Episode 5  探検 ( No.57 )
日時: 2010/05/18 18:25
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

もう日が落ちて2時間になる。
暗い樹海を1人と1匹が髑髏が先端に付いた杖に
炎を灯し歩く姿がよく分かる。

「ブラッディ、人の臭いどお?」
「アリスの臭いしかしない、やたらめったら紅茶の臭い。あとチョコレート」
「…ハイハイ」

さっきからずっとこうだ。
鼻の良いブラッディが、
人の臭い一つ見つけられていない。
不意ににブラッディはアリスの方を向くと、

「侵入者避けの魔方陣が結界を張ってるかもしれないな、さっきからずっと動物の臭いすらしないし」

侵入者避けの結界?
それは厄介だ、どうすれば消せる?

「…どうやって消すの?」
「この森を吹っ飛ばせば?魔木とかもいっぱい生えてるし、結界が薄れた所中に入れば良い」
「あ〜…そういうのパス。師匠にダメだって言われてるから」
「あっそ。なら、魔方陣を壊すしかないね。見たところ少し間違ってるみたいだし」

そういうブラッディの目の前の空間に裂け目が出来、
明りが見えた。

「運が良かったね」
「その様で。探検が無駄に終わったような気がする」

愚痴を言いながらもアリスは裂け目を跨ぐと鐘が鳴った。

『侵入者だ!』
「うっわ、メンド」
「仕方ないでしょ。山賊の馬鹿が、…ハメやがったな」