ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第4話 飛び降り自殺 ( No.6 )
日時: 2010/04/28 16:47
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

「銃声がコレだけ辺りに響いてたんだ、戦闘狂共が集まってくるよ?」

その通り、すごい勢いで機関銃が乱射された。
一斉掃射のつもりらしいが、
腕が悪すぎる。
まったく関係のないところを粉砕して、

「何処だ!ねずみ共!…殺してやるよ?来いよ?」

大声を上げながら近寄ってくる。
聞くからに頭のどうかした変な奴にしか思えない。

「白刃、あんたは待ってな。アタシが殺してくるから」

その言葉の直後、
ドン!
銃声が一発だけ周囲に悲鳴をあげ、
奴の脳天に命中し、
断末魔の悲鳴などなく、
ただ、地面に向かって倒れこんだ。

「お前は・・・なんでシアの中に…?」
「・・・・・・・・・・」

躊躇なく他人を撃ち殺すシアの姿を見て、
口から零れ落ちた。
それを聞いたキキョウは、黙り込む。
黙ったまま、奴の持っていた10mm機関銃を俺に押し付け、
ライフルをすばやく背負うと、
近くの背の低めのビルに足早に向かう。
そして、そのビルの屋上に着くと、
排水溝のカバーを外し、
ドアの隙間に引っ掛けて、誰もこれないようにした上で口を開いた。

「アンタの…アンタのせいよ?アンタさえ居なければ私は居なくてシアさえ居なければ・・・」

何だかマズイ空気だ。
まさか・・・・・・。
少しずつ、自殺防止用の柵を外していく。
止めろ・・・・・・。

「シアさえ居なければ・・・私が苦しまなくて済んだのよ!」

止せ、止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ・・・!

キキョウは俺に銃を向け、
飛び降りようとしている。
泣きながら・・・・・・。

「貴方は・・・生きていてよ?最後に生き残って良いのは1人だけ・・・コレも貴方には必要ね」

そういい、持っていた365マグナムを投げてよこすと飛び降りた。
その瞬間、俺の体は驚異的な速さで反射的に動き、
シアの腕を掴んだ。

「何で!何で私を助けるのよ!」